1/2のヒーロー 夜刀神の巻/七穂美也子
はれて鷹矢と東京で暮らすことになった聖。
だが、幸せを満喫する間もなく百目の巫女に依頼が舞い込む。
神職にたずさわる者が各所にで怪死する事件が相次いでいるというのだ。
それはかつて国を追われた国つ神の仕業で、彼らは平将門を甦らせ、国を取り戻そうとしていた!?
そんな折、鷹矢が国つ神の襲撃を受け攫われてしまう!?
鷹矢をこの手に取り戻すため、聖は将門との大勝負に挑むが!?
これが最終巻です。
最終巻らしい作品といってもいいんじゃないでしょうか。
この巻は聖のお母さんに挨拶するところからはじまります。
挨拶ってあれですよ、「娘さんをください」的なそんな感じ。
鷹矢のお父さんは百目さまとして「死」んでしまった訳ですから、ここでお父さんともめるってことはありません。
最大の敵であろうおばあさまを攻略済みですから、簡単だったでしょうね。
新居に到着するものも、ほとんど家にいませんでしたね。
予想通り、九尾と晴明が登場しました。
九尾はドラえもん並にいろいろ持ってますね。
言えばなんでも出てきますよ、きっと。
今回、鷹矢がさらわれるという初めての展開です。
身体的にも精神的にも強いであろう鷹矢が狙われるとは。
確かに譲葉や聖を人質にとった方が楽でしょうから、まさか鷹矢が、って感じ。
聖サイドで、一番フットワークが軽いのは九尾なのでけっこういろいろ使われてます。
九尾は聖や譲葉に比べて、鷹矢に対してあたりがきつかったので、背中にのせることはないだろうと思っていたんですが、緊急事態だからか普通にのせてました。
うーん、つまらん。
小狐丸の決断の部分がきつかったです。
小狐丸がそこまで考えて九尾を選んだのかちょっと疑問ではあるのですが、こういうどちらかしか助けられない状況ってきっついです。
九尾を「友達」といってのけた聖にびっくりしました。
確かに九尾はほかの登場人物より気安い性格してますが、友達?と首をかしげてしまいました。
鷹矢が死んでしまうところで泣きそうになってしまいました。
鷹矢は最後まで聖のことしか考えてないし、主人の言葉に答えなきゃいけない小狐丸はかわいそうだし。
まあ、すぐに生き返ってしまうので、涙も引っ込んでしまいましたけどね。
なんというか、後半の展開がはやすぎるので泣くってところまでいけないんですよね。
最後、将門との決着のつけかたは「こうきたか」と思わずうなりました。
見事に1/2。
こういうの嫌いじゃないです。
九尾の台詞はちょっと無理ありましたけど。
このシリーズ全体をとおしてちょっと誤字脱字と矛盾というか疑問?が多かったかなぁ、と 。
深く考えずに読む分にはおもしろいんですけどね。
シリーズのペース配分がちょっとおかしいので、夏休みが異様に長いです。
聖の東京学校生活とか見てみたかったのですが、描かれることなく終わってしまいました 。
あとは、くっつけるところまでいかなくてもいいから譲葉に見合う人を登場させておいて欲しかったです。
フラグたてといてくれるだけでもよかったのに、と。
あれだけいい子なのにも関わらず、むくわれてない感じがするんですよ。
BL要素も薄い巻と濃い巻の差が激しかったですね。
商業BLはじめて読んだので分からないんですが、こういうもんなんでしょうか。
聖と鷹矢、そして譲葉が幸せになってほしいです。
さて、次は何を読もうかな。
少女向けのラノベばっかり読んでたので、少年向けのラノベでも読もうかなと思います。
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