レンズと悪魔 4 魔神幻世/六塚光
八眼争覇(ディアボリックパーティ)。それは8組の魔神と契約者たちが繰り広げる殺し合いだ。無形の魔神(ボル・ボル)の契約者・テッキとともに戦う氷結の魔神(ルナ・ルガ)の契約者・エルバ。2人はかつての八眼争覇の敗者・クラエスと出会う。彼は獄炎の魔神(ネア・ネア)との戦いに敗れ、両目の視力と記憶を失っていた。勝者になれば魔王があらゆる望みを叶えてくれるという八眼争覇が、敗者に強いるものとは!? 絡み合う想いが、新たなる戦いを導く!! 無限ソードオペラ待望の第4幕!!
けっこう久しぶりのレンズと悪魔です。
正直な話、主要キャラならともかく、さっさと退場してしまった魔神の名前とかあんまり覚えてなかったです。
どれだかわからない魔神の名前が出てきて自分で書いた過去の記事を読んで「あああれか」とかやってました。
あんまり間空けちゃだめですね。
今回はスニーカー文庫にありがちな短編集です。
雑誌スニーカーに掲載されたしたものに、日記的なものをつけて前書きとし、書き下ろし中編をのせて1冊としたものです。
『エルバ・ナイトロンドは豆を食らう』
『テッキと不愉快な仲間たち』
『敗北者たちの挽歌』
が収録されています。
あとがきによると豆と不愉快な、は1巻の後。敗北者は3巻の後の話とのこと。
物語的にはあまり進んでいません。
でも、この書き下ろしはエルバが前へ進むためにはなくてはならないものだったのでしょうね。
『エルバ・ナイトロンドは豆を食らう』
依頼を受けてマーレボルジュの下っ端に追われるお嬢さんを探す話。
依頼人が軍の円盤を横流ししていて、その商品をお嬢さんが持って家出してしまうというなんかタイミングが悪い話。
依頼人の話に含まれた無意識の嘘は予想できました。
依頼人を信頼させるためとはいえ、テッキたちが8段免許を取り出さなければもう少し違った言い方をしたんじゃないかなーとか思ってみたり。
『テッキと不愉快な仲間たち』
博物館に泥棒がはいる話。
数枚の円盤を盗られてしまうのですが、盗まれた円盤から犯人がわかります。
盗まれた円盤――サウンザンドサーベルタイガーを欲しがっていた元依頼人。
元依頼人宅にある円盤=博物館のものと確認したのち、博物館に侵入した泥棒から依頼人を辿っていきます。
おもしろかったです。
このシリーズ比較的シリアスなストーリー展開なので、たまにはこういう馬鹿馬鹿しい話があってもいいんじゃないでしょうか。
テッキの暴れっぷりがすごいです。
『敗北者たちの挽歌』
少女の無実を明らかにしてほしいとの依頼を受ける話。
なんですが、正直その依頼よりもそこで出会った人物とのやりとりに比重が傾けられています。
それというのもその人物・クラエスは前回の八眼争覇の参加者で敗者だったのです。
八眼争覇参加者に求められる代償だとか末路だとかそういうものを目の当たりにしてしまうのですね。
多分、エルバはそこまで考えていなかったのだろうと思います。
エルバはテッキと協力していたということもあって今まで上手く勝利を収め続けていましたからね。
前回の戦いではじめてファルナの怪我という代償を差し出した形になるのかな。
だから改めて、八眼争覇にかけるおもいだとかそういうものを再確認するための話だったのだと思います。
そういう意味では中々うまいな、と思いました。
あとがきにもありましたが、次巻こそ3巻で仄めかされていたネア&バルビーヨとの戦いになるよう。
楽しみです。
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