少年陰陽師 数多のおそれをぬぐい去れ/結城光流
時は平安。出雲での戦いからひと月。昌浩が戻った都は、不穏な気配につつまれていた。何日も止まない長雨、内裏の上空に感じられる奇妙な渦……。確かめるため、内裏の一角に入り込んだ昌浩と物の怪は、十二神将に似た出で立ちの女に出会うが…!? その頃、雨に霞む岸壁に“帝の姫”を心待ちにする幼い少女と、付き従う若者の姿があった。見えざる力は、やがて帝を動かし――!? 絶好調シリーズ、新章“玉依編”スタート!!
結構久しぶりな気がする少年陰陽師です。先月読んでいないのも確かなんですが、前作とその前もどちらも本編じゃなかったので(短編集と外伝作品)、本編は5月以来とけっこう間開いてるからそう思ったのかな?
あらすじにもあるとおり、今回から新章です。
玉依編とのことなのですが、まだ序章にしかすぎず、玉依が何を指しているのか、ここからどう動いていくのかまだよくわかりません。
今回登場人物が多い気がします。
シリーズが長く続いているから出来ることなんでしょうけど、初っ端から視点変更が多くてちょっと混乱しかけてしまいました。
新キャラも多いなぁ。
昌浩と接触したキャラこそ少ないですが、あんまり一度に出されると覚え切れませんorz
いつも酷い目にあってボロボロになる昌浩ですが、今巻は全然痛い目にあってないです。
どちらかといえば、姫宮・脩子の方が可哀相なめにあっている気がします。
まだ幼いのに、母が病にふせっているからと甘えられなくて、恐怖に震えていて……、と。
不穏な気配こそしているものの、まだ昌浩に害が及ぶような事態には陥ってません。
どちらかというとちょっとほのぼの。
もっくんが敏次殿を敵視するのはいつものことなんですが、怒声に驚いて昌親兄上がやってきたりとか、
身長が伸びなくて彰子と身長があまり変わらないことを気にしたりとか。
昌浩も彰子もまだ成長期だからどちらもまだ伸びると思いますよ(笑)
謎の女が内裏に潜り込んでいたり、晴明のもとに勅命がくだったりいろいろネタは仕込まれているんですが、まだシリーズはじめですからね。
きっと物語が進むにつれ、精神的にも肉体的にもボロボロになるんだろうなぁ。
昌浩と彰子の間が微妙にギクシャクしています。
というのも、珂神編にて彰子は昌浩をかばって、敵に倒されるんです。
それは魂だけが彰子のもので、器は偽者だったから彰子の身に傷が残ることだとかそういうことはなかったんです。
でも、何に変えても彰子を守りたいと思っている昌浩にとって、それはとてもショックな出来事で。
お互いにお互いを気遣っているから近寄れなくなってしまっているのだな、と。
その状況でさらに、昌浩と彰子を引き離そうとしているのですから、結城さんは本当にSです(笑)
まあ、この二人ならたとえ引き離されたとしてもちゃんと元の、いやそれ以上の関係になれると信じています。
次巻は来月中に紹介したいなぁ。
[0回]
COMMENT