魔人探偵脳噛ネウロ 世界の果てには蝶が舞う/東山彰良(原作/松井優征)
ネウロ&弥子が笹塚刑事と街で出くわしたある日、一匹の蝶が舞う。
蝶は、笹塚に遠い日の出来事を思い出させた。10年前、南米。
笹塚は一人の少女に出会い、マフィアがらみの事件に巻き込まれる。
笹塚と少女が南米の街を疾走する! 笹塚衛士の過去を描く小説(ノベル)版!
かなり前に購入していたのにも関わらず、今回はじめて読みました。
これを読んだ今、アニメで南米が登場した理由がようやく少しわかった気がします。でももう1回アニメ見直したいなぁ。
アニメ放送当時、原作はジャンプで読んでいただけだったはずなので、あの展開についていけなかったんですよ。
あらすじにもあるとおり、笹塚さんの過去を描いた物語です。
笹塚さんの家族はサイと思われる強盗に家族を惨殺されています。
その数ヵ月後の話で、これは
ヒステリア事件のときに披露された銃の腕前を磨いた話であり、筑紫さんが語った事件後に姿を消したときの話でもあるわけです。
あらすじだけ読むと笹塚さんと少女――エマの逃走劇というか、そこから恋が芽生えてしまいそうに思いますが、実際は何にもなし。
エマはどうも笹塚さんというか男性を恋愛対象としてみれるほど精神的に成長していなかったのかなー、と。
冒頭はちょっと辛かったです。
たまたま外出していたがために、強盗の魔の手から逃れた笹塚さん。
妹の誕生日であったその日、変わり果てた家族の姿を見つけたのも笹塚さんだったんですよ。
20歳そこそこの青年が経験するにはかなり辛いですよね。
笛吹さんがどうにかして奮起させようとしているのもわかるのですが、傍から見たらかなり酷いこと言ってます。
この人は本当に不器用です。
笹塚さんにとって南米で経験した出来事は本当に人生における転機だったのだな、と。
この話におけるテーマは「家族」と「復讐」な訳です。
家族を殺した人物を殺してやりたいと思っていた笹塚さん。
家族を殺されながら被害者のみならず加害者の冥福をも祈るエマ。
家族を殺され復讐に生きた人物と様々なパターンが描かれているわけですが、ちょっと考えさせられました。
犯人を恨みながらも笹塚さんはそこまで堕ちていくことはできなかった。
だからこそ、ネウロ最終巻間近の話に繋がっていくわけですね。
なかなか楽しめました。
こんな感じの過去編で、吾代さんの話も読みたかったですね。
そうしたらわずかなシーンしか出てなかったのにも関わらずエライ人気のあった早乙女社長とかも出せただろうし。
でも、ネウロのノベライズはこれだけだったはず。ちょっと残念です。
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