目隠しの国 2/筑波さくら
あろうに告白されたかなではひどく戸惑う。園芸部で畑作りに汗を流すあろう、見つめるかなで。「考えることじゃないんだよ」エリの言葉に押され、かなでは自分の気持ちを伝える…。暗闇の中で人のいるあたたかさに触れ、かなではもう自分は一人きりではないと感じはじめる。
これの続きです。
柱で登場していたすきやき鍋ひっくり返した高校からの友人で某青年誌作家の「あさちゃん」ってもしかしてひぐちアサさんなんだろうか?と一瞬思ってしまいましたが、きっと違いますよね。
【第4話】【第5話】【第6話】【特別編】
【百花事務所の悪魔】
が収録されています。
かなでっちゃんが自分の感情に自覚したり、並木さんが犬を拾ったり、かなでっちゃんへの気持ちを自覚したり、
あろうくんが園芸部に入ったり、遊園地に遊びにいったりします。
読んでいて、並木さんが不憫すぎると思いました。
だって、自分の気持ちに自覚したときにはもうかなでっちゃんとあろうくんが付き合い始めてますからね。
でも、並木さんがかなでっちゃんに求めるのは母性というか、なんというかそういうものなのかもしれません。
お互いに持つ力が似ているからこそ、受け入れてくれて、自分とは違う行動をとるかなでっちゃんに癒されている、っていうのが強いのかもしれません。
まあ、あろうくんにもそういう点がないとは言いませんけどね。
特別編の迷子の子どもが聡すぎるなぁ、と。
なんであのタイミングで「言ってないのに名前もわかったんだよ!」とか言うかなー。
確かに改めてみてみると、名前を呼ばれてびくついてはいるんですよね。
でも「お母さんと会える」ってことですべて吹っ飛んでるんです。
そのまま吹っ飛んだままでいてくれたらよかったのに。
園芸部のくだりはけっこう好きです。
随分と古い過去だと思ったら、その当時の学生は大人になって先生になっていたと。
華茶道部と合同になっているのがよくわかりませんけどね。
並木さんのビジネスパートナーが登場していますが、この人は実はいい人なんじゃないかな。
並木さんと組むことで、お金を稼げるから一緒にやっているけど、学生らしいこともやってほしいとも思ってそう。
【百花事務所】に関してはすごく時代が感じられる話でした。
だって、メールじゃなくてポケベルですよ?
私だってこういう漫画や小説でしか見たことないので、今の学生はきっとわからないんだろうなぁ。
物語としてはありきたり。
学校の健康診断レベルで、適合者かどうかを判断できるのかは置いておくとしても、カルテを自宅保管してちゃだめだろうとか、北浦さんはいったいいくつなんだとか、
細々つっこみたくなってしまいました。
まあさらりと読むにはよかったです。
欲をいえば、ヤオくんにも喋って欲しかったです。
シリーズはまだ続きます。
この話ってけっこう精神的に痛い描写が多いのですが、それを乗り越えていってくれるので楽しみです。
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