鬼の往き路 、人の戻り路 2/川瀬夏菜
日本史に残る鬼退治集団、京の怪異に挑む――――!
平安の京都。渡辺綱は「頼光四天王」の一人として、源頼光に仕えていた。
土蜘蛛、滝夜叉姫、姑獲鳥、鵺…。
都を騒がす怪異を前に、仲間の絆が試される――!
歴史エンタメ絵巻、これにて終幕!!
この間購入してきた作品です。
2巻が出ると思ってなかったのでうれしいです。
【第伍話 土蜘蛛】
【第陸話 滝夜叉姫】
【第漆話 姑獲鳥】
【最終話 鵺】
【第某話 羅城門の鬼】
が収録されています。
以前紹介した
これの続編になります。
1巻の時点で、1話のみ宣伝の意味で雑誌掲載。残りは全部書き下ろしというある意味冒険した作品だったんですよね。
なので、続きが出るとは思えなかったんで発売をしったときは普通にうれしかったです。
この巻に収録された作品は普通に雑誌で掲載されたようです。
巻末の
【第某話】は描き下ろしですね。
面白かったです。
前巻で、カットされてしまった金時(銀魂の銀さんのモデル・いわゆる金太郎)のエピソードが収録されていたのが嬉しい。
【第某話】は、前巻で登場した鬼・茨木が再登場していてそちらも嬉しいんですがちょっと短すぎて物足りない感もあります。
鬼退治云々と言ってるんですが、この作品での鬼の定義はかなり広いなぁと。
今回厳密には鬼は登場してないんです。
土蜘蛛も姑獲鳥も鵺も一般的には妖怪です。
この作品内でも鬼というより、怨霊や妖怪といった方がよさそう。
土蜘蛛にいたっては道を踏み外しかけた人間でしたし。
まあ、人が鬼になる世界観であり、鬼となった後でも人を思い、人として暮らす鬼もいるって訳ですしそれでいいのでしょうけど。
ただ、ちょっと突っ込みたかったのが脚注の鬼道丸のコメント。
「性別がどっちにも見えるように描くのが難しかったですが」
いやいや。川瀬さんの絵柄って男女の性差あんまりないので元々そんな感じな気がするんですが。
川瀬さんのコミックは全部持ってますが8割方の作品に女装男子が登場するので説得力皆無でした(笑)
ぶっちゃけ、私は髪型やら服装やらで男女見分けてました。
なんとなく2巻で終わるのはちょっと寂しいような気もします。
ですが、史実を元に作られた作品である以上、話数に限りが出てしまうのも仕方ないのかもしれません。
実際、鵺退治は頼光の時代から100年はあとのことらしいので。
いくら少女漫画でファンタジーだとはいえ、あまり史実から離れすぎると色々問題が出てくるのでしょうね。
(銀魂にも坂田金時は江戸時代の人物じゃねぇよ、ってツッコミきたってコミックスにありましたし)
川瀬さんの次の作品を楽しみにしてます。
[0回]
COMMENT