怪物王女 19/光永康則
永遠なる血脈、その深淵へ。
闇の異形なる住民、怪物。
その支配者・王族の第二王女たる姫は、王位争いの只中にある。
姫の血を得て不死身となった少年ヒロは、血の戦士として姫とともに闘いの日々を過ごす。
何者も逃れ得ぬ、魂の裁定。
鉄の掟が支配する、死の闘技場。
王位化粧の真相が明らかになる中、姫と血の戦士たちの闘いは、ついに最終局面を迎える。
何だかんだいって毎月のように紹介してるこの作品ですが、先月は紹介してませんでした。
全20巻だから本当にもう少しですね。
【第80話 灼熱王女】
【第81話 百破王女】
【第82話 死球王女】
【第83話 聖火王女】
が収録されています。
【灼熱】は前回の続き。
ファラオの縁者による裁きの話ですね。
シルヴィア王女は無茶ブリにもほどがある裁きで無罪を勝ち取るわけですが、姫は裁きを受けることすら拒否します。
そして笹鳴町に帰還しようとするわけです。
SF苦手な私は傍から考えることを諦めていました。
なので姫に説明されても「そうなんだ?」って感じ(笑)
この話で、シルヴィア王女は肉体と血の戦士を捨て去ります。
【百破】からは続きもの。
蠅男が屋敷にやってきて助力を請います。
蠅男の依頼は秘薬「トライオキシン」の輸送。
シルヴィア王女に捨てられた血の戦士のミカサと人魚・マドレーヌは血の効力がきれ、すでに再び死んでいるかと思われていました。
しかしながら蠅男によると、2人はトライオキシンの力で生きながらえていると。
2人の元へ向かいたい蠅男ですが、2人の元へ向かう途中には下層吸血鬼たちの街があり知はあれど力のない蠅男では超えることが出来ないわけですね。
ここで令裡がいまだに姫の元へ身を寄せている理由なんかも明かされています。
高位の吸血鬼であるキニスキー公を敵に回してしまったがために吸血鬼の世界から追放されていたのですが、キニスキー公はすでに死んだとされていました。
キニスキー公が死した今なら姫の元から去ってもおかしくはないのに、令裡が姫の元にいたのはキニスキー公もまたトライオキシンの力で生きながらえていたから。
そして下層吸血鬼たちを支配していました。
そんなキニスキー公にトライオキシンを奪われてしまったので、とり返しに向かいます。
先発隊としてリザと令裡が街の中に向かい「デスドーム」なる場所で戦うわけですが、リザはボロボロに、令裡は人質となってしまいます。
姫とヒロもまたデスドームで戦うことになります。
というか、今回戦ってるのはほとんどヒロですね。
ここでヒロは血の戦士から炎の戦士へとなり、キニスキー公を圧倒します。
トライオキシンを奪い返した姫たちは人魚の元へトライオキシンを届けることに成功します。
そこで途中から同道していたキザイアは人魚へエミールから託された炎の戦士としての力を受け渡します。
そうすることでキザイアは消滅し、人魚は王族の血もトライオキシンも必要としない存在となり、ヒロ曰く「王族の争いから解放された」と。
うーん、炎の戦士=王族から高エネルギーを分け与えられた血の戦士ってことのようですがよくわかりませんね。
あと1冊で終わることを思うときちんと説明されているのか不安です。
そして、フヒト王子とシルヴィア王女の直接対決も途中で描かれています。
シルヴィア王女によると時たま現れる不死鳥は「父であり母でありご先祖である」と。
成人した王族が統合された存在らしいのですが、ここもまた謎のままです。
次巻最終巻。
生き残った王族はまだ数人いますが、実質シルヴィア王女と姫の一騎打ちになるんでしょうね。
楽しみです。
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