優しい死神の飼い方/知念実希人
命の週末を生き切る力を君がくれた。
迷宮入り事件の解決とともに。
地上に舞い降りた金色の友達
古い洋館を改装したホスピス「丘の上病院」。ゴールデンレトリバーの姿となって「我が主様」から地上に派遣された「死神」の私は、看護師の菜穂に保護され、「レオ」という名で丘の上病院に住むことに。そこには死神にだけわかる、この世への「未練」が放つ4人分の「腐臭」が漂っていた。
この洋館では7年前に謎の"吸血鬼家族"殺人事件が起きたという。事件は未解決、裏庭には「地縛」する3つの「魂」――。「言霊」を操り、相手の「魂」を浄化し、無事に「我が主様」の元へ導くことを仕事とするレオ。洋館を調べまわるうちに隠された地下室を発見し、事態は思わぬ方向へ――!!
ツンデレわんこの死神が大奔走!
図書館で借りてきました。
はじめて読む作家さんなのにどこかで見たことがあるような?と思っていたのですが、一時期ツイッターでフォローされていたから見たいです(笑)
リムられてしまったので現在はつながってませんけどね。
帯にもある通り「死神」であるレオが、人間たちの未練を解消するため過去の出来事について新たな解釈を見出してあげる話といえばいいでしょうか。
偶然最期を過ごす場所に集まったかと思われた3人の患者たちと丘の上病院そのものに隠された秘密が徐々に明らかになっていきます。
はじめは、レオが特殊能力で話を聞き出す→夢に入り込む→過去の事件について新たな解釈を告げる
という同じような展開の繰り返しでちょっと飽き気味だったんです。
ですが、読み進めていくうちに「もしかしてこれって?」と繋がっていることに気づき、いつの間にか物語に引き込まれていました。
面白かったです。
ただ帯に大きくツンデレわんこの文字があるんですが、レオはそこまでツンデレではないよなぁ、と。
正直、医院長の方がツンデレっぽいなと思ったのは私だけでしょうか。
レオはどちらかというと無関心だったのが菜穂たちと触れ合うことで考え方が変わっていったといった方が近い気がするんですよ。
それはデレとはまた違うと思うんですが、どうでしょう。
個人的にレオの同僚で友人の「死神」の英語混じりの言葉にちょっとイラッとしてしまいました(笑)
あとはそうですね。
メインとなった登場人物たちの死が最初から決まっていたとはいえ、ラストにちょっと涙ぐんでしまいました。
作中では明かされていない体から離れた魂が「我が主様」のもとに行ったあとのこと。
いったいどうなるんでしょうね。レオの反応を見る限りいいことのようですが。
輪廻転生的な何かで「またね」ってことなのかな、と思ってますが。
図書館にこの方の本があったかは定かじゃないんですが、また機会があったら借りてきたいと思います。
[2回]
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