ムヒョとロージーの魔法律相談事務所 15/西義之
禁じ手「使者憑依」でティキを迎え打つ毒島と梅吉。その強大な力でティキを圧倒するが…!? そしてムヒョ達はエンチューとの最終決戦へ! 果たして闇に堕ちたエンチューを救えるか!? 対禁魔法律家編、遂に終幕!!
ちょっと久しぶりなムヒョロジです。
前巻は2月ですから、4ヶ月ぶりですか。
思っていたよりあいてましたね。
今巻は全話、VSティキ&エンチューです。
【第122条 師弟】
【第123条 騎士】
【第124条 絵空事】
【第125条 飴】
【第126条 呪い】
【第127条 魔王】
【第128条 転落】
【第129条 変わらないもの】
【第130条 長い悪夢】
【第131条 罪と罰】
【第131条 報告書】
が収録されています。
あらすじでは「対禁魔法律家編」、帯では「エンチュー編」となっているんですが、名称決まってないなら無理に書く必要もないだろうに、と思ってしまいました。
個人的には箱舟編のが響き的にもいいかな、と思いましたが、
D.Gray‐manと時期的にもモロ被りなんですね。
巻数的にはこちらの方が上ですが、人気的にはDグレのが上だっただろうから「箱舟編」は厳しかったのかと。
閑話休題。
本編はペイジ本部長VSエンチュー、ムヒョたちVSティキの戦いが同時進行していました。
まず、ペイジVSエンチュー。
ペイジは今でもエンチューを信じ、元の優しい少年に戻ってくれることを願っていたのですね。
しかし、エンチューはペイジの言葉に耳を貸すこともなく。
エンチューは幽世なる異空間へペイジ、ヨイチ、今井さん、ギンジを連れ込みます。
ペイジは魔鹿女キュラを呼び出して後を追います。が、ペイジはこの所の連戦で体力が回復しきっていなくて。
後一歩というところで、倒れてしまいます。
契約が破棄された形になり、キュラは去ろうとしますが、ペイジたちの心に動かされギンジが「なんでもする」と言ったことでキュラとギンジの間に新たな契約が結ばれ、どうにかエンチューを行動不能にすることに成功。
2人は幽世から現世へ戻るための「幽世の裂け目」を探し回ります。
一方のムヒョたちは、毒島さんと梅吉が命がけの攻撃を続けていました。
ムヒョが契約を完了するまでの時間を稼ごうと頑張るのですが、彼らの元に新たなる箱舟、禁魔法律研究者のフリオことフリオニールが現れます。
変人ではあるものの無害そうな彼でしたが、甘味が切れた途端豹変して呪いをばら撒きます。
万事休すかと思われましたが、ムヒョが使者を呼び出すことに成功してティキを追い詰めます。
追い詰められたティキはロージーを連れ去ろうとします。
ティキから見てもロージーはムヒョに大きな影響を与えすぎていたってことなんでしょうね。
彼の目的から考えても、ムヒョのそばにロージーを置いておくのは危険と考えたんでしょう。
そこに魔王を連れてムヒョがやってきてティキを圧倒します。
魔王を連れてMLS体育館にやってきたときのシーン、魔具屋のじいさんのセリフなんかを見ていてなんとなく
ナウシカっぽいな、と。
1回しか見たことないんでうろ覚えなんですが「異国の青き衣をまとい……」みたいなシーンありましたよね?
一見倒したかに見えたティキはやっぱりしぶとくて。
エンチューの体に転生しようとします。エンチューもエンチューでムヒョを倒すためならそれを厭わないといった感じ。
しかし、ムヒョが指摘したことにエンチューの心が揺れます。
それは「エンチューの母の死」について。
彼が禁魔の道に落ちてしまった最大の要因であった訳です。
(彼が執行人の地位を固執したのは母に少しでも楽をさせるためなので)
ティキは新たな転生先として、力のある器を求めていたようなのです。候補はムヒョとエンチュー。
彼らが好みの強さになるまで影で操っていたとのこと。
母の死が、ティキにもたらされたことだと知ったエンチューは同化しつつあったティキを拒絶して。
ロージーの業洗刀(わざらいかたな)の力でティキを引き剥がします。
そうして、長い長い悪夢は終わりを告げました。
「わざらい」と読ませているから気にしていませんでしたが、この刀の本質は「業(ごう)を洗い流す」なんでしょうね。
甘いといってもいいくらい優しいロージーが持つにはちょうどいい武器かな、と。
まさに憑き物が落ちたようにすっきりとした顔をしたエンチューでしたが、彼がおかした罪の数々が消えてなくなるわけじゃありません。
そのため「無期魔監獄幽閉」という処分が決まり、リオ先生もまた「無期執行猶予」という処分に。
まあ、リオ先生の場合は監視員が今井さんなので普通どおりに暮らしていけばいいようですが。
そうして、エンチューが収監されるのを見届けた彼らは事務所へと帰ってきます。
物語的にはここで終わってしまった方が絶対よかったと思いますが、ジャンプ側の都合で終われなかったのかな?
事務所に帰ってきてケンジやナナちゃんとワイワイやってるところにお客さんがやってきて「いらっしゃいませ六氷魔法律相談事務所へ!」で、
「ご愛読ありがとうございました!西先生の次回作へご期待ください」みたいなエンドの方が良かったなぁと本誌掲載時から思ってました。
正直ここから先は蛇足だよなぁ、と。
イサビ、禁書、フリオの行方がわからないこととアロロパシーくらいしか明かされていないことがない上、この先明かされるのもアロロパシーの秘密くらいしかないので、むしろ謎のままでもよかったんじゃないかと。
まあ、最終巻まで持っているので最後まで読んでしまおうとは思います。
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