がっかり観光地と呪いの投網/綾瀬マナ
ここは「幽霊が見える」不思議なスポット、かつかり村。幽霊見たさに観光客が訪れるが、みんな「がっかり」してしまうという!? なぜならここにいる幽霊たちは、明るくてハイテンションで、恐怖感ゼロなのだ。是光さんの職場は、そんな「がっかり観光地」の観光センター。のんきな所長とケセラセラな幽霊たちに、振り回されて今日もぐったり!? 画力も話も超一級!! 絶対☆注目新人・綾瀬マナが登場♥
以前に古本屋で購入したものです。
何気なく手にとってタイトルの「投網」部分が気になって買ってしまいました(苦笑)
「呪いの投網って何?」ってなりませんか?
【がっかり観光地と呪いの投網】
【がっかり観光地と地上のキューピット】
【がっかり観光地と淋しい幽霊】
【極楽デイズ】
シリーズ3編と短編が1つ収録されています。
【淋しい幽霊】は書き下ろしみたいですね。
主な登場人物は観光案内所で働く苦労性の青年・城戸是光さん。
是光さんの弟で案内所所長・祈部世界。自由人。
幽霊アレルギー(というか貧弱?)の青年僧侶・明神真水。
この3人かな。
あとは各話でゲストキャラが数人でている感じ。
がっかり観光地――正式名称は「かつかりふれあい幽霊センター」の特色は「幽霊が見える」こと。
霊感だとかそういうものがなくても、実体化した幽霊たちとふれあうことができるところなんです。ただし、幽霊たちはまったく怖くない。
なので観光客に「がっかり」されてしまうんですね。
設定だけ見て恩田陸さんの
ネクロポリスをふと思い出しました。あっちはホラーっぽいけど、こちらはほのぼのです。
亡くなった浮気性の恋人を探しに彼女さんがやってきたり、ホストの幽霊にとりつかれた小学生がいたり、是光さんが町をでていこうとしたりします。
なんというか、可もなく不可もなくといったところ。
明神さんの設定が好きです。
彼は「霊が近づくと反応する霊アレルギー」というふれこみで登場するのです。確かに霊感とでもいえばいいのかな。そういう力もあるんでしょう。
でもそうじゃなくて、体調不良を霊のせいと誤解してしまうようなちょっと抜けたところのあるキャラってあんまり嫌いになれません(笑)
なんとなく、
ロキのナルカミくんを連想してしまいました。
是光さんと所長の関係だとか、この観光地がなぜ霊が実体化しているのだとか、そういうことを語るには1冊では足りなかったんじゃないのかなー、と。
さらりと語ってしまうには厳しい内容だったんではないでしょうか。
最後のどっきりは本当のことっぽいし、所長が抱えている寂しさだとかはとても大きいものなんでしょう。
本当の兄弟ではないし、一見そういう風には見えないけど、すごいブラコンなんだろうなぁ。
【極楽デイズ】に関しては、主人公のことらくんがああいう対応をしてしまうのもすごくよくわかりました。
都会と田舎とでもいえばいいのかな。
田舎の過干渉っぽい感じはなれるまできっついですよねー。
【地上のキューピット】でも
【極楽デイズ】の両方でことらくんが登場するのは意図したものじゃないそうです。
ことらって変わった名前なのに被ったってことは作者がこの名前好きなんだろうな。
[0回]
COMMENT