その向こうの向こう側3,4,5,6/渡辺祥智
本当は小説を読むつもりだったんですが、急用が入ってしまって読めませんでした。
仕方ないので漫画を……、ということで昨日の続きです。
やっぱりほんわかしていて可愛いんですけど、悲しい話です。
3巻5巻の表紙を飾っているヴィリットは双子の王子。狂気の王子と呼ばれた弟王子です。
ヴィリットの話が非常に悲しかったです。
ヴィリットとヴィリット。
双子の両方に同じ名前をつけるってだけで、もういかれてるの思うのですが、それ以上に兄の方が怖かったです。
最後の最後で理解しあえて二人一緒に幸せになれる道が見つかったというのに……。
すごく悲しかったです。
ベルベルさんの弟子・グリジオの話もまた悲しかったです。
グリジオは3人目の花のマスターで、グリジオが召喚した花は溺死の意味を持つエルトゥリ・キーヤ。
確かに花が枯れる、ってこと以外に代償なく願いを叶えることが出来るほかの花に比べたら、花とともにマスターも枯れる――死んでしまうエルトゥリは自然なのかもしれません。
けど、やっぱり後味は悪いですね。
造花の話で出てきた幾千の花・ミルフィオリ、確かリボーンに出てきたミルフィオーレファミリーも同じ語源だったはずだったよなぁ、とか思って読んでました。
フタバにおっさん呼ばわりされるシェンナがかわいそう(笑)
そうだよなぁ、19歳でおっさん呼ばわりされたらたまったもんじゃないですね。
シェンナとマスター・セレンの会話に萌えました。
なんかもう可愛くて。
けど、シェンナは「あんまり飛ばないからあと10年は余裕」ってことは飛んでたら死期が早まるってことなんでしょうね。
アマランザインを召喚したがために不老不死となったセレンと有翼人であるがために短命のシェンナ。
残すほうも残されるほうも辛いんだろうな。
フタバは無事にキアラをセレンの送り届けることが出来るのですが、元の世界に戻ったフタバは黄金大陸(オーリオール)のことをほとんど覚えていなくて、異世界へ飛び込んでから多分数十分しかたっていなくて。
無くなっていたのはヴィリットに巻いてやった包帯とキアラにあげた四葉のキーホルダー。
願いを叶えるべき花が願ったただ1つのこと。
「私のことを覚えていて」
元の世界に戻ったフタバはキアラに出会ったことは覚えていてもキアラの顔も覚えていなくて。
それでいいのか、とちょっと悲しくなってしまいました。
ヴィリットの願い――フタバの世界へ行きたいというものは叶えられたんだろうな、と。
でもあの一時の邂逅以上のことは起きないんだろうな、と思います。
大きくなってもフタバのことなどわからず、普通に成長してしまうんでしょう。
小学生フタバの長い長い放課後の寄り道。
やっぱり最後まで「可愛いしおもしろいんだけど悲しい」って印象で終ってしまいました。
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