ドラゴンラージャ 5 野望/イ・ヨンド(訳/ホン・カズミ)
エデルブロイのブリーストから依頼されたのは、ドラゴンラージャの資質を持つ少女の捜索だった。
納得できないフチだったが、身代金を用意するためには、捜すしか道はない。仲間たちも協力を約束し、一行は決意をかためた。ネリアの提案で、盗賊ギルドを訪ねることになったフチ。だがそこには、おそろしい罠と意外な人物が待っていた。
血ぬられた首都バイサスインペル。ひとりの少女をうばいあう壮絶な抗争がはじまる!
図書館で借りてきました。
それにしてもどうしてこの本は新規の登場人物しか登場人物紹介に載せないんでしょうね。
サブキャラクターだと思っていた人物が重要な人物だったりすることが多いので1行程度でかまわないから過去の登場人物についても載せてほしいな、と切実に思います。
今巻は、前巻の続きである
【第6章 トップメイジ】と
【第7章 港の少女】が途中まで収録されています。
私、基本的にあらすじとか目次とか見ないで読み始めるので、この感想を書くときにはじめて見ることが多いんです。
もしかしなくても、フチたちが必死になって捜す少女はイルリルが出かけた先で見かけていたとかそういうオチなのかな。
章タイトルを見るとそんな感じがしてなりません。
今巻は、ドラゴンラージャとなる可能性の高いハルシュタイル侯爵の娘を捜します。
十代後半の赤毛で孤児の少女。
統計論?では国中捜してもわずか数十人程度しかいないらしく、想像していたのとは別の意味で苦労しそう。
フチたち一行は何組かにわけて、捜索を開始するのですが、ネリアとフチの2人が赴いた盗賊ギルドにてネリアを人質に取られてしまいます。
盗賊ギルドのマスターはなんと貴族であるネクソン。
ネリアを解放する交換条件として「ハルシュタイン侯爵の元にある青い表紙の本」を取ってくることを突きつけられるんです。
フチたちは全員で協力しあって、その青い本を手に入れるのですが、それに書かれていたのは一見するとただの酒屋の情報。しかし実体は国の軍の情報だったのです。
戦争中であることを考えると、かなり重要な書類であることがわかります。
今巻は、アフナイデルがすごかったです。
なんていうのかな、ちょっとかわいい。
元々アフナイデルは、悪役として登場(まあ悪役というには小物でしたが)し、フチたちに懲らしめられて改心したんですが、最後のお師匠さまとの会話を見ているだけでもなんというかいいなと思わされました。
さすが主人公というだけあって、多くの人物がフチに影響されて変わってきていますね。
エルフのイルリル、夜盗のネリアといったヒロイン勢をはじめとして、アフナイデルにウンチャイもまたそうだったのかな、と。
というか、ウンチャイは再登場してくれるのでしょうか。
スパイとして引き渡されてしまいましたから難しい気もするのですが。
個人的にはフチたちの危機に助けにきてくれるとうれしい。
カールが相変わらず国の策略にはめられそうというか、「英雄」化されそうで怖いです。
確かにカールは頭のいい人物です。知識もあり良識もあり、首都に到着してわずか数日しかたっていないのにも関わらず、国王にとってすごく魅力的な人物(変な意味でなく)なんですよね。
ハンドレイク(まるマでいうムラケンというか大賢者)の位置に据えたいのがよくわかります。
フチやサンソンなんかも一緒に勲章が授与されているわけですが、そんなのついででしかないんですよね。
あくまで、カールのおまけというか、カールが作戦立案というか彼らを率いていたという前提があるってことなんでしょうから。
いったいどうなるのでしょうか。
初期はあまり好みじゃなかったのですが、さすがにここまで進むと話が気になりますね。次巻が楽しみです。
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