安吾探偵控/野崎六助
下宿屋の主人から家出娘の捜索を頼まれた坂口安吾は、行方を探すうち殺人事件に遭遇する。殺害されたのは酒造業を営む紅家の婿養子で、現場は雪に囲まれ、一種の密室状況を呈していた。
“お家さん”と呼ばれる寝たきりの老婆と個性的な三姉妹が暮らす、十何代も続く女系一族で勃発した奇怪な連続殺人。犯人は一族の者か、酒蔵に集う杜氏か。凶行前に現れた片腕の男の正体は。国税庁の役人の事故死は紅家の惨劇と関係あるのか。
雪降り積もる戦前の京都を舞台に、坂口安吾と鉄管小僧が謎に挑む。著者が新境地を拓いた意欲的な長編本格推理。
図書館で借りてきました。
実在した作家・坂口安吾が京都に滞在していたときに事件に関わっていて、探偵役をこなしていたという設定で描かれた物語です。
趣としてはちょっと変わっていて。
京都を訪れた筆者がたまたま出会った老人から過去に起きた事件についての詳細を聞き、それを物語風に書き起こしたという体裁になっています。
その老人というのはあらすじにも登場する鉄管小僧で。助手というかワトソン役をこなしていた人物なんですね。
正直、読むのが非常につらかったです。というか疲れました。
とにかく読むのに時間がかかりました。
ページ数は360ページほどですからそこまで長い訳ではありません。
文字が小さめではありますから、その分、文量が多いということはあるんでしょうけど、それにしてもまさか5時間以上かかるとは思いませんでした。
物語はたんたんと進んでいく印象を受けました。
最終的に事件が解決するものの、探偵役が自主を促すわけでもなく、警察に犯人を告げるわけでもなく終わります。
それでいいのか?と思わなくもないのですが、事件自体が60年以上前に起きたことであるという前提があるのでそこまで気になりはしませんでした。
時効はとっくに成立しているし、登場人物の中で一番若かった小僧ですら80歳手前。
関係者の多くは亡くなっているでしょうし、今更感しかないですからね。
きっと、坂口安吾に詳しい人なら楽しめたのではないかと思います。
坂口安吾を知らず、ちらりとWikipediaで概要を読んだ程度の私でも「ああこれはあのことなんだな」とか「この時期にはこうだったからこうなのか」みたいなことを感じ取ることが出来たので、詳しい方ならもっと細かなところにも気づけたのではないでしょうか。
酒造りに関してはそういや
もやしもんでやってたなーと思うことがちらほら。
馬鹿高い税金の話とか。精米がどうのとかそういうの。
正直、正月休みの暇なときだったから読みましたが、これがただの休日ならきっと途中で読むのをあきらめていたと思います。
そして全然関係ない軽い本を読んでいたのではないかなと思います。
この作品、シリーズ化しているようですが、多分相当気が向いたときでもないと読まないと思います。
というか図書館に続編があった気がしませんし。
明日はもっと軽い作品を読もうと思います。
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