臨床犯罪学者・火村英生の推理4 スウェーデン館の謎/有栖川有栖
推理作家の有栖川有栖は、取材で訪れた会津・裏磐梯で、沼に身を投げんとする美しい金髪の女性を助ける。その縁で、彼女・ヴェロニカの住ログハウスに招かれることに 。「スウェーデン館」と呼ばれるそこで、アリスは彼女の夫で童話作家の乙川リュウに歓待される。館の客とも打ち解けるが、その晩、殺人事件が起き……。美しい館に潜む悲しい秘密 、複雑な人間模様。
進退窮まるアリスに、火村助教授が知力を尽くす、大人気長編!
しばらく前に購入していたんですが、ようやく読めました。
もっと早く読みたかったんだけどなぁ。
4年前に一度読んで紹介している講談社文庫版
スウェーデン館の謎と同一の作品になります。
麻々原さんの挿絵、解説の有無ぐらいでしょうか。
(講談社文庫版では
宮部みゆきさんが解説を書かれていたようです)
以前、読んでいるということもあり犯人やトリックはなんとなく覚えていました。
改めて読み直すとそれはそれで楽しめました。
気分(というか後味?)の悪い話だったな、と記憶していましたが、読み終えたところそこまでではなかったので、初見のインパクトと宮部さんの解説の印象が強かったのだろうな、と思います。
あらすじにもある通り、今回はアリスが主体となって物語は進みます。
アリスの取材旅行先で事件が起こり、その解明のために火村先生を読んだという形なので、火村先生が登場するのは物語半ばからです。
今改めてあらすじを見て気づいたのですが、火村"助"教授なんですよね。
この作品は元々国名シリーズ第2弾として発売されたもの。ノベルス版の発売は1995年、文庫版でも1998年のことです。
だから、准教授という呼び名は存在していなかったんですね。
それ以外にも小学校に土曜授業が当たり前のように存在したり(最近また復活しつつあるみたいですが)、カメラがフィルム式だったり、携帯電話の存在が描かれていなかったりする訳です。
ビーンズ文庫版は、作品の発表順を無視して発売されているので、こちらから入った人は混乱してしまうかもしれませんね。
というか、今の子どもってフィルム式のカメラって知ってるんでしょうか。
デジカメや携帯やスマホの写メが当たり前になってしまっているから、写真をプリントアウトをお店に頼むということも中々ないですよね。
撮った写真が上手く撮れているかわからないという話も分からないんだろうなぁ。
面白かったです。
次巻の発売については特に言及されてません。
短編選出方式なのか、長編なのか。
どちらにせよ楽しみに待ちたいと思います。
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