ほたる館物語 2/あさのあつこ
おばあちゃんが急に「ほたる館を継げ」と言い始め、自分で将来を決めたい一子は反発する。
でも、悲しそうなおばあちゃんの顔を見るのはつらい――。はっきりとした性格の一子の心にも、素直に気持ちを伝えられないもどかしさが募っていく。
どうすることもできない葛藤の中で、大切なものを見つけ出そうとする少年少女を描いた大好評シリーズ、待望の第二弾!
<解説・後藤竜二>
ほたる館も大分久しぶりだなーと思ったのですがそうでもなかったですね。
前巻は9月半ばに読んでるので2ヶ月もたってなかったです。
今回は老舗旅館ほたる館の女将である一子のおばあちゃんが倒れます。
で、前兆があったんでしょうね。
自分が倒れたあとのことをいろいろ考えて、一子の代のことまで考え出してしまうんです。
一子からしたらたまったもんじゃないですよね。
自分の意思を無視されてレールを引かれる。
おばあちゃんは「体操選手を引退してからでも大丈夫」だなんて言ってましたが、そういうもんじゃないんでしょう。
おばあちゃんが倒れて、精神的にも肉体的にも弱っているときに、「お上手」ひとついえない一子にお母さんがきれるんです。
お母さんの言いたいこともわかるし、一子が頷けないのもわかる。
難しいですね。
この話を読んで、一子とバッテリーの巧って根本が似てるんだな、と思いました。
巧は孤高とでもいえばいいのか。自分ひとりで強くたっているイメージ。
一子は決して孤高とはいえないんですが、それでも心が固い。
他者に影響されずに自分の意思を貫こうとする感じ。
そして、どちらも不器用です。
今巻で登場する新キャラはゆうれいくんこと柳井くん。
柳井くんは一子とは違って、柔らかく衝撃を受け流して決して折れないとでもいいのかな?
そんな印象を受けました。
どことなくNo.6の紫苑に近い感じ。紫苑も弱そうに見えて強い少年ですから。
雪ちゃんは柳井くんは一子のことが好きだと断言していたんですが、一子視点なこの話ではそれが真実なのかはちょっとわかりにくいです。
でも、「少し太った。肩も胸も丸くなった」みたいなことが書かれていましたし、雪ちゃんは女性として成長してきているよう。
あながち間違いではないのかな、と思ってます。
一子も旅館の子として、いろんな人間を見てきているだろうけど、雪ちゃんは一歩引いて見守っている感じ。
こういうことは当事者より他人の方がわかるものだったりしますからね。
おばあちゃんが復活して、いつものほたる館となったところで今巻は終了。
一子が11歳となる直前です。
次巻で一応終了なのかな。
新ほたる館物語なるものもありますが、そっちはだいぶあとになって発売されたものですから、多分別物なんだろうな。
楽しみです。
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