復讐プランナー/あさのあつこ
突然、いじめられる日々が始まり、途方に暮れる雄哉の前に現れた先輩。
「復讐計画を立ててみればいい。復讐。仕返しのことだよ」
物騒なセリフに誘われ、ひそかにチームは集い、ゆっくりと動きだした――。
昨日言っていた図書館から借りてきた最後の1冊です。
借りてきたときは気づかなかったのですが、昨日紹介した
ぼくがバイオリンを弾く理由と挿絵描かれてる方一緒だったんですね。並べてみてはじめて気づきました。
あらすじにもあるとおり、いじめに関する話です。
そういや、あさのさんの作品っていじめられる描写がたまにありますね。
The MANZAIの来管くん→歩くんとか、バッテリーも先輩→巧だったかな?初期にありましたよね。
どちらも肉体を痛めつけるものであり、少人数によるものでした。
本当に辛くて気づかれにくいのは、クラス全員とかによる大勢→1人であり、精神的ないじめだと思うのですがそれが書かれたあさの作品はまだ読んだことないですね。
今回もまた少人数→1人のものであり、精神というより肉体を痛めつけるものです。
物語として読むにはおもしろかったです。
でも、物語に集中しだしたときにはもうすでに終わりが見えているというか。あまり話が進まないというか。
友人・章司を助けたことでいじめられることになった主人公・雄哉。
章司との関係も悪くなり混乱していたら山田先輩が助言をしてくれた。
その先輩と一緒に復讐計画を練ったり、いじめっ子のことを調べたりした。
ストーリーを簡単に表すとこんな感じなんですが、本当に調べるところで終ってしまっているんです。
「いじめっ子をやっつける」ってところまではいきません。
なので、思わず「これで終わり?」と首を傾げてしまいました。
本編終了後に、『復讐プランナー養成講座』なるものが30ページほどあるので、余計そう思うんですよね。
まだページが残っているからもう少し進展があるはず、とページをめくっていったらなんとも中途半端なところで終ってしまう。
だから、いじめられてる人にはあんまり読んで欲しくないかも。
確かに、山田先輩の指南は納得できるものなんです。
でも、作中でも書かれている通り、いじめというのは多種多様。
それぞれのケースで対処法が異なるわけです。
それに復讐ノートに書いたことを実行したりする人が現れると問題になりますからね。
そういうニュースは見たくないです。
復讐ノートについて。
確かにノートに書くことによって、冷静になれるとかそういうこともわかります。
でもこれを親が見つけたら相当やばいですよね。
『養成講座』で「鍵つき日記帳…親に見つかると心配されるので」云々とありますが、復讐ノートが見つかった時点で心配されると思うのですが。
親からしたらいじめられていることと同時に、子どもの暗いドロドロした部分も見つけるわけですから。
それに、復讐ノートの目的は復讐方法を書くという行為だけでだいぶ果たされます。
でも、それは親にはわかりませんよね。
そう考えると中を見られない鍵つき日記帳の方が安心な気がしますけど。
まあいいや。
続きは出てないみたいですが、これは続きが読みたいですね。
山田先輩こととか知りたいですし。
いつか続きが出るといいな。
[2回]
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