0能者ミナト 2/葉山透
江戸時代――寛延年間に村人すべてを殺戮したという怪異「鏖(みなごろし)」。長く封じられていたはずのそれが、眠りから覚めた。総本山、御影神道名だた る手練が犠牲となり、関係者を震撼させていた。
へそ曲がりで有名な九条湊の仕事を選ぶ基準は、「面白いかどうか」だという。人を跡形もなく吹き飛ばす、前代未聞の怪異――だが湊の腰は重い。皮肉げに「解決してみせるが、期待はするな」と不可解な言葉を放つ湊。実はこの事件には恐るべき秘密が潜んでいた!
私が持っているのが初版だからなのでしょうが、脱字を見つけてしまいました。
こういうのを見つけると作者さんや編集さんも人間なんだなぁ、と変な実感をしてしまいます。
1話『鏖』2話『真』閑話『謝』となっているものの、物語的には全編「鏖」についてです。
「鏖」については
1巻の最後で仄めかされていました。
あまり乗り気じゃなかった湊なんですが、今回もまたユウキと沙耶ちゃんにせっつかれて仕事にかかります。
ただし、今回はあらすじにもあるとおり、意味深なことを言うんですよ。
2人は湊が仕事をしたくないからそんなことを言っているんだ、と歯牙にもかけないんですが、調査を進めていくとその言葉の理由も明らかになります。
総本山の暗部というか、怪異に殺された僧たちはやらせをやっていたのですね。
そして復讐の的にされてしまうと。
ぶっちゃけ、自業自得だったのでその辺はどうでもいいんです。
犯人が陥落して事件解決かと思いきや、その犯人が湊たちの目の前で爆発してしまうんです。
そして、それが湊の仕業であると総本山に囚われてしまって。
ユウキと沙耶ちゃんはある程度動けるとはいえ、2人の後見人で湊の友人である孝元と理彩子の自由はなくなってしまって……。
いったいどうなることかとハラハラしてしまいました。
なので、最後の方で呆気なく外に出たときは拍子抜けしてしまいました(笑)
全然関係ないかと思われた出来事が繋がっていく様はなかなか好きです。
蜃気楼の語源がはまぐりというのは知っていました。
正直なところ蜃気楼の原理の方が知らなかったです。
そして、前巻を読んだときも思ったのですが、湊の説明が科学(化学?)的すぎてですね、そういうのが苦手な私としては読み飛ばしてしまいそうになります。
まあ、ぶっちゃけてしまうとそんな専門的なことわからなくてもなんとなくわかれば問題はないですよね!(爆)
ちょっと気になったこと。
閑話で湊の口から理彩子の車は事故車であった云々と語られているのですが、これもまた湊の策略なんじゃないのかなーと思うのですがどうなのでしょう。
えっとですね。あれだけボロボロになってしまった車ですから、湊に貸す前の状況などわかりませんよね。
なら湊が新車に乗りたいがために、事故車であったと思いこませたって可能性は無いでしょうか。
まあ、その辺は本当に閑話でしかないんでしょうね。
あとがきでは「ミナト3巻はあまりお待たせしないで」とか「9Sの続きは今年中に」とかあるんですが、どちらもまだ出ていないようですね。
基本1巻完結だから続きが気になってしかたない!って作品ではないのでゆっくり待とうと思います。
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