0能者ミナト 5/葉山透
完璧な降霊術で人を集める『彼岸の会』。天性の法力を持つユウキは直感し、降霊術がまやかしだと糾弾する。だが、主催者の士道骸に手玉に取られてしまうのだった。この男、総本山から野に下った切れ者で、まったく隙がない。
かくして、業界ではいかさま師と揶揄されるミナトの出番である。0能者対詐欺師の稀に見る攻防は、騙し合いの熾烈な駆け引きへと発展していく。 霊を降ろしている様子はないのに、霊と完璧に対話してみせる。その矛盾を湊はどう解体してみせるのか?
新刊を購入すると同レーベルの新刊情報とかオススメ作品が書かれたペーパーが封入されていることが多いじゃないですか。
これにもそれがあって。あらすじを読む限り、めちゃくちゃ私好みな作品がいくつもあってめっちゃ読みたいです。でも地元じゃ売ってない(涙)
はずれだと嫌なので、ためし読みくらいはしたいんですけどネットで読めるかなぁ。
さて、本編。
【第1話 石】
【第2話 詐】
【閑話 避】
が収録されています。
口絵の孝元さんが、べるぜバブの夏目に見えるのは私だけかなぁ。
あと、
【詐】でミナトと対峙する士道骸の名前にどうも既視感を覚えるのは私だけじゃないですよね。
正直、見た瞬間「六道骸」を連想してしまいました。
ぶっちゃけはじめは「骸」って名前にだけ反応してしまったんですが、三文字中二文字って(笑)
おもしろかったです。
今回、
【石】はミナトはあまり登場していません。
映像の中とはいえ、いつもの通り、沙耶たちにヒントを与えているわけですから、さすがです。
九尾の狐って有名ですから名前だけは知っていたんですが、そういう退治のされ方だったとは始めて知りました。
初対面の他人にすらわかってしまうユウキが沙耶に向ける感情なわけですよ。
まあね、以前も書いた気がしますが、沙耶って「初恋のお姉さん」には理想的な人だと思うんですよ。
でも、沙耶はユウキをたよりになる弟みたいな男の子としか思っていないでしょうからね。
しかも、超絶鈍感だからユウキの思いに気付くことはないんでしょう。
そして、次は
【詐】。
前巻でも予告されていた話です。
霊はいないのに降霊術を行う士道骸と倫寧。
今回の怪異は比較的メジャーな妖怪ですね。「覚(サトリ)」。
倫寧はサイコメトラーのように物体から思念を読み取る力を持つ覚だったんです。
だから、遺品や依頼者の記憶から情報を読み取っていたわけです。
士道との対決は、ミナトの方が一枚上手でしたね。
それは多分、ミナトが0能者だからでしょう。何の力も持たないミナトは自身の思考力が全て。
だから、事前に調べられることは全て調べてからいくし、ある程度推測を立ててから動く訳です。
そう考えると、ミナトが仕事の際に動くのを渋るのはそういう原因があるからなのかもしれませんね。
倫寧の親であるサトリの倒し方はさすがだなぁと思ってしまいました。
ミナトらしい。
最後は
【避】。
避難の避ですね。
いつものとおり、喫茶店での大人組の会話です。
毎回遅れてくるはずのミナトが何故先に来ていたのかってが主題になってますね。
その理由は、事務所に倫寧が来ていてたから。
倫寧の能力は、親とは違い接触しなければ発動しないとはいえ、ミナトにとって相手が悪いですよね。
そして、倫寧はユウキの秘密を喋らないんだとか(笑)
すごいなぁ、ユウキくん。
次巻に関してはほぼ未定のよう。
作者は大人組のことを書きたいようですが、それもまだ決定ではなさそうですね。
楽しみです。
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