0能者ミナ ト 8/葉山透
葉山 透が贈る現在の伝奇譚
怪異が蠢く禁断の館。その最奥にいたものとは――元気になく人間の赤子だった。
赤子は立派な少年と少女に成長する。だが、そのささやかな平穏は破られる。赤子が怪異の子だという資料の流出。二人は追い詰められていく。
かくして退屈な依頼に殺されそうだった湊の登場である。なぜ怪異の館に赤子はいたのか。二人は本当に人間なのか。不可思議な事象に湊の知性は驚くべき倫理的解決を見出して いく。だが見過ごした一つの可能性。それが恐るべき事態を引き起こすのだった!
先日購入してきたミナト最新刊読みました。
作者あとがきでも触れられていますが偶数巻は長編です。
【第1話 劣】
【第2話 交】
【第3話 裏】
【第4話 減】
が収録されています。1話のみ雑誌掲載だったみたいですね。
それに加筆修正+続編を書いて長編に仕立て上げたって事みたいです。
偶数巻=長編ってのを忘れていたのではじめ1話を読んで「あれこれで終わり?」ってなっていたんですけど雑誌掲載の名残みたいなもんだったのかな。
いきなりこの巻から入る人はそういないでしょうし、元々そういう描写が少なからずあったのできっと大丈夫でしょうけど、この巻は正直読んでいてあまり気持ちがいいものではありま せんでした。
いや、面白いんですよ?
ただ今回登場する新種の怪異「有耶無耶」の描写があまり気持ちがいいものではなくてですね。
想像しちゃうとグロ注意って言いたくなる感じ。
今回登場する白銀スズといっちゃんこと一一(にのまえかず)。
この2人の境遇を思うとよくもまあこんなにまっすぐ育ったものだと言いたくなりました。
スズはともかくいっちゃんはその名前も、総本山内でのやりとりを見てもあまりいい環境とは言えなかったわけで。
お互いの存在があったからまっすぐ育つことが出来たんでしょうね。
御影神道と総本山の体質を裏手に取った訳ですが、本当にもうよくもここまで頭が回るものです。
湊の頭がいいのはわかっていましたが、沙耶もユウキも毒されてきた感が否めませんね(笑)
今回は理由がつけられるとはいえ、お互いの組織をきっちり騙しぬくあたりさすがです。
4話はいつもの喫茶店での一幕なわけですが、今巻でのここの喫茶店のウェイトレスさんに本当にお疲れ様ですと言いたい(笑)
次から次へと巫女さんやら坊主やらが来る喫茶店って嫌だなぁ。
次巻は「神話の化け物」になるのかな?
題材的に長編ネタっぽいので10巻のネタっぽい感じでもあるんですが、喫茶店で受けている依頼もそれ関連っぽいんですよね。
個人的に「神話の化け物」で怪異に該当しそうで「復活」って八岐大蛇ぐらいしか思いつかないんですけど、どうかな?
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