本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません 第一部 兵士の娘2/香月美夜
見知らぬ世界で、貧しい家の幼い少女マインに生まれ変わってから一年。
彼女は本が大好きにも関わらず、手に入れるどころか、読書さえ難しい中、本作りに追われる毎日だった。
何とか文字を書き残すべく奮闘するも失敗続きで前途は多難。
おまけに「身食い」に侵されて寝込んでばかり。
持ち前の頑張りで、お金を稼ぎつつ、近所に暮らす少年・ルッツの助けもあって、ようやく本格的な「紙作り」が始まるが……さて、一体どうなるやら?
本好きのための、本好きに捧ぐ、ビブリア・ファンタジー第2章!
書き下ろし番外編、2本収録!
図書館で借りてきました。
こちらの続きです。
キャラ名を覚えてるうちに借りられてきてよかったです。
【第一部 兵士の娘2】
【コリンナの結婚事情】
【洗濯中の井戸端会議】
が収録されています。
後ろ2つは短編。
その名の通り、コリンナ――オットーの妻であり、ベンノの妹の話と、マインの母であるエーファが胸のうちを語るお話。
前巻は、協力者であるルッツと2人してベンノに認められ、紙の試作品を作ることになったんでしたか。
前巻がないないづくしで無理ゲー感ハンパなかったことを思えばかなりサクサク進んでいきます。
……お金って大事ね。
で、余裕がでてきたからなのかマインは不審な行動をいくつもしてしまい、ルッツに問いつめられてしまいます。
誤魔化しきれないと悟ったマインはルッツに自分がマインではないこと、本当のマインは熱にとけて消えてしまったことを語ります。
体が弱くて外にでることもままならずあまり会ったこともなかったマインと、多少変だけど本のために頑張って自分にもいろいろ教えてくれるマイン。
ルッツにとっての『マイン』はすでに後者となっていたこともあり、思ったよりすんなりと受け入れてもらえましたね。
うん、よかった。
ただ、ちょっと気になったことが。
手元に1巻がないので確かじゃないんですが、1巻では麗乃は母子家庭みたいな話が書いてあったと思うんです。
なのに、
「頼まれれば手伝うけど、基本的に家事は専業主婦の母親任せで、やろうと思ったらできることも、積極的にやったことはない。」(p130)
という一文があるんです。
気になったので、ネット上で出来る試し読みで確認してみました。
ちょっとページ数は定かじゃないんですが、プロローグに
「幼馴染で麗乃の家と同じ母子家庭のため、」「幼い頃に亡くなった父親の書庫に」
とあったので、やはり麗乃の家は母子家庭のよう。
なのに専業主婦?
なんだろう設定ミスなんでしょうか。
マインの病弱な理由が判明しています。それは『身食い』というもの。
名前だけはチラチラ出ていましたね。
それは治す方法、というか延命のための方法はあるけれど、そのためにはお金がものすごくかかるわけです。
(これを言ったのが、ギルド長の孫娘・フリーダだってあたり桁が違いそう……)
治すのは難しくても何かに邁進してる間は大丈夫、とのことでマインはさらに紙づくりを頑張ることに。
外の世界を知らなかった本物のマインにとって頑張り続けることは無理だったのでしょうね……。
紙の試作品は出来た。お金を稼ぐための方法も少しずつではあるけれど画策できた。
あとは春になるのを待つだけというときになってマインを身食いの熱が襲い……ってところで今巻は終了。
短編2つはなるほどなーと。
オットーさんは情熱的すぎる(笑)
そんでもって、お母さんの口から語られるお父さん・ギュンターも結構ぶっとんでるのね。
マインがおかしなことをしても、家族があまり不思議がらない理由がわかるような気がしました。
というか1巻から思っていたのですが、ギュンターって聞くとすみれ色のロングヘアーの
美形魔族が浮かびます(笑)
続きはもう借りてきているので近いうちに紹介したいと思います。
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