酔(ゑ)ひもせず 其角と一蝶/田牧大和
三人の遊女が忽然と消えた。
「屏風の犬が動いた」と言い残して……。
神隠しか、足抜けか。
俳諧師と絵師の二人組が吉原の怪異に潜む闇を暴く、傑作時代ミステリー!
芭蕉の一番弟子と謳われながら、一門に馴染めない俳諧師・其角と、豪放磊落な絵師・多賀朝湖(後の英一蝶)。二人は、不思議と馬が合った。ある夜、吉原の揚屋で太鼓持ちとして宴を盛り上げていた彼らは、二人の太夫に頼みがあると呼び出される。近頃、屏風に描かれた犬が動くところを見た遊女が、次々と姿を消している。その謎を解いてほしいというのだ。女たちを救うため、二人は奔走するが……。女たち、そして男たちの息苦しいほどの哀切を描く、著者渾身の書下ろし時代小説!
図書館で借りてきました。 田牧さんの作品は久しぶりな気がしましたが、そうでもないですね(汗)
あらすじにもある通り、俳諧師の其角と絵師の暁雲こと多賀朝湖のもとに持ち込まれた謎を解いていくお話です。
この其角も暁雲もどちらも実在する人物です。
恥ずかしながら私は全く知らなかったので、Wikipediaでさらっと調べてみたら、2人の交流や彼らの経歴、作中で描かれたエピソードなどは実際にあったことをもとにして描かれているようです。
気になる方はご自分で調べてみてください。
あ、もちろんメインに据えられている事件はオリジナルだと思われます。
なんというか、長編1冊で終わらせてしまうのはすごくもったいないな、と思いました。
いや、図書館に続編があったのを見たので続編はあるようです。
多分前日譚的なあれこれか、作中で駆け足で描かれた部分を細かく描くかだと思います。
ですが、この巻で二人の終わりが描かれてしまっているので、なんだかさみしいな、とも思います。
なんか別の方の作品でもそういうのあったなーと思ったのですが、
こちらですね。
前作で二人の終わりが描かれて前日譚がリンク先になります。
どちらも持っているんですが、感想あげてないですね。……頑張ります汗
閑話休題。
面白かったです。
まあ、神隠しの謎はそんなとこだろうな、と思った通りだったのはともかく2人の関係性がなんというか良かったです。
2人だけじゃなくそれ以外の登場人物たちの情にあふれる行動も江戸っぽいなぁ、と。
とある人物の行動にちょっとうるっときたのは内緒です(笑)
この時代ということもあり、怪異がまだまだ信じられている時代なので、暁雲が描いた不動明王も、問題となった屏風の犬もそういうものと受け入れられているのもいいなと。
近いうちに前述の続編?というか前日譚?を借りてきたいと思います。
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