ビート・キッズ/風野潮
「おまえにはリズム巻がある!」呼びだされた音楽室で,いきなり同級生の菅野七生にそういわれた,横山英二。「たたいてみろ。」と渡されたバチで太鼓をたたいた瞬間,英二の中で花火がはじけた!
マーチングってなに? ドリルフェスって? 吹奏楽や楽器をよく知らなくても,読んでいるうちにガツンと気持ちが熱くなる,涙あり笑いありの大阪ブラスバンド物語,登場!
図書館に寄贈されていたので借りてきました。絵が可愛い。
最近、青い鳥文庫といい角川つばさ文庫といい、別レーベルの作品を子供向けにするのが人気なのでしょうか……。
正直なところ、そういうことって時間稼ぎというか、新しい作品が生まれないからなのかなーとか思ったり。
閑話休題。
風野潮さんの作品は以前紹介した
森へようこそを含めいくつか読んだことがあったのですが、作者の代表作であるこの作品は今回はじめて読みました。
読んでみて人気の理由がわかりました。
これはおもしろい。
「才能がある」と言われていきなり吹奏楽部に入部させられるところからはじまります。
吹奏楽とかよくわからないんですが、それでも楽しめました。
途中登場した細井先生にはかなりイライラしました。
先日読んだ
少年少女飛行倶楽部でも似たような先生が登場してましたが、散々放置したのにも関わらずイベント直前で邪魔しにくるっていうのは主人公たちに感情移入していると本気でムカつきますね。
内申云々言って脅してくる先生ってサイテーだと思います。
普通、どんなに悪い子でも良い意味にとれる言葉に書き換えるもんだと思うんですけど。
英二と七生。
どちらも普通の子どもからはちょっと外れています。
自分ではどうしようも出来ないような問題を抱え、それでも逃げることなく進んでいきます。
父親がひどすぎます。英二が無意識のうちに父親がいない状態で今後を考えてしまうのもわかります。
けど、いくらひどい父親だとはいっても終盤の展開には本当にびっくりしました。
思わずこれ本当に児童書なのか確認してしまいました。
児童文学賞をいくつもとってるようなので、児童書なんでしょうけどあの展開はすごい。
英二を心配して東京から帰ってきた七生に萌えました。
児童書の男の子同士の友情ってなんでこう腐女子においしい展開多いんですかね。
最後、中学を卒業しそれぞれの道を歩き始めたところで終了。
この作品2巻も出てるらしいんですが、読んでみたい。
講談社文庫版でもソフトカバー版でもなんでもいいので、図書館にないかなー。
何年も図書館に通ってますが見たことないのできっとないと思いますが一応検索してみようと思います。
多分そのうち青い鳥文庫版が刊行されると思うのですが、そっちを待った方が現実的かな?
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