狐火の家/貴志祐介
『硝子のハンマー』(日本推理作家協会賞)から4年。弁護士純子&防犯探偵榎本堂々のカムバック
ますますヒートアップ!
ちょっぴりファニーなコンビが4つの密室に挑む傑作ミステリ
こんな密室を待っていた。
図書館で借りてきました。
以前紹介した
硝子のハンマーの続編で、テレビドラマ「鍵のかかった部屋」の原作シリーズになります。
【狐火の家】
【黒い牙】
【盤端の迷宮】
【犬のみぞ知る Dog knows】
が収録されています。
前巻がバカみたいに冗長な作品だったので、今回もそんな感じなのかな?と思っていただけに、短編集でちょっと安心しました(笑)
正月の再放送で見たなぁ、ってものがいくつかありましたが見るともなしに見ていたものだったので覚えていたのは舞台装置程度だったので特に問題なくよめました。
ただ読み終わってみてもあまり印象に残っていないってのが正直な感想です。
なんというか、今回はさらっと読むためのものなんだな、と。
前巻がミステリとしての要素に力を注いでいたのに対し、今回はエンターテイメントというか。
書き下ろしの
【犬のみぞ知る】なんて正にそんな感じ。
前巻の秘書さんが登場するのはいいし、その時の劇団がクローズアップされるのもいいんだけど……。
バカミスとはまた違うんだと思うんですが、ミステリとしてのクオリティは低いです。
思わず「そんなオチかよ!?」と。
ただ、
【黒い牙】の気持ち悪さは別枠ですね。
タランチュラの毒性云々の知識は知っていたけど、それと生理的嫌悪は別物だと思うんですよ。
クモについて延々語られてるんですが、そんな知識は正直いらなかった。
虫が苦手な人にはあまりおすすめできないかも。
元々、ホラー書いてる人だからそういうのは上手なんでしょうね。
今回は榎本の「防犯コンサルタント」という肩書があまり生かされているように思えなくてちょっと残念でした。
榎本と青砥先生の駆け引きめいたやりとりは好きなんですけど、そのほかが色々と残念なのがもったいないなと思ってしまいました。
このシリーズあと1冊なのかな?
図書館にそれもあったのでまた今度借りてきたいと思います。
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