世界は紙でできている―パピア・ローゼ吟遊詩―/ココロ直
パピア・ローゼ―――古来より繁栄の象徴と崇めれる「紙のバラ」。突然の大地震で、女子高生トモカは、いまや朽ち果てかけたこのバラを国宝とするエクアリア王国に落ちてきた。見も知らぬ異世界で“破壊者”と忌まれるトモカ。だが、“暁の戦乙女”オーディナリーにかくまわれ、危機にひんする王国とパピア・ローゼを救うよう命じられる。切り札は「折り紙」!? ヒロイックファンタジー!
図書館で借りてきたものです。
これで図書館にあるココロ直さんの作品は最後かなー。
自分で買うということはたぶんしないので、図書館で購入しないかぎり、この方の作品の感想が増えることはまずないと思います。
異世界トリップファンタジーです。
ココロ直さんの作品って現代世界を舞台にしていても比較的ファンタジーちっくだったと思いますが、今回は完璧ファンタジーです。
この作品、主人公はいったい誰なんでしょう。
異世界トリップした女子高生・トモカなのかと思いきや、扱い的には地味。
もう一人の少女・オーディナリーが主人公だとしても、オーディーの心情がトモカの視点を通さないとよくわからないってのはどうなんだろう。
多分、少女2人を1対のパピア・ローゼに見立てて、両方を主人公として扱いたかったのだと思うのですが、すごく中途半端な印象を覚えてしまいました。
続刊が出ればまた印象が変わったかと思うのですが、これで終わってしまっているっぽいからな……。
ブクログでも登録者がほとんどいなくてびっくりしたのですが、これもうちょっと評価されてもいいと思います。
今この感想書いてて気付いたのですが、異世界トリップで黒髪黒目が忌み嫌われるとかマ王とかぶってるなぁ。まあだから何ってことはないんですが。
紙が貴重で魔法的な意味での武器として利用される世界であるため、トモカの紙作成知識がすごく重要視され、また紙から立体を創り出す知識(ようは折り紙)がすごいものとして扱われていました。
で、ちょっとツッコみたいこと。
トモカは学校へ行く途中で地震にあったんですよね?
折り紙を持っていたのは入院していたクラスメイトへ千羽鶴を作るため。
まさか折り紙を裸で持っていたわけないし、カバンか何かにいれますよね?
そう考えると教科書とかノートとかそういう紙をいっぱい持っていないと不思議なんですが。その辺とくに触れられていませんでしたね。
この作品、もう何年も前に読んだことがあるのですが、どうでもいいことは覚えていましたが、ストーリーの根幹はすっかり忘れてました。
ええ、「アルカリ性の物質(灰)を加えると~」とかそういうどうでもいい雑学は覚えてましたよ。
でも、誰が裏切るかとかすっかり忘れてました。
そろでも、裏切りがあることは覚えていたんですよ。
細かいことをすっかり忘れていたがために、読んでいて「きっとアカシックが裏切るんだな」と思ってました。
実際裏切ったのはレド。
もうなんかごめんなさい、って感じです。
物語的にはすごく続きそう。
名目こそ違うものの、トモカ、オーディー、アカシックの3人は旅に出る――。
ってところで終了。
続き読みたかったなぁ。
トモカに救われた敵国の少年がいるんですが、その少年は自国には戻れないとか書かれてたし、仲間として再登場したりしたらおもしろそうですよね。でもそれは想像するしかない。
残念です。
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