ST 警視庁科学特捜班 黒の調査ファイル/今野敏
携帯のワンクリック詐欺に遭った役者志望の男が、チャイニーズマフィアの名を騙り、悪徳業者に逆襲を謀る。そのマフィアのボスは、歌舞伎町の派遣を巡り別組織と暗闘を繰り広げていた。そして歌舞伎町での連続放火事件に出動したST――絡まる謎に“沈黙の男”黒崎が動く!
「色シリーズ」、堂々のラスト。
ずいぶん久しぶりのSTシリーズです。
えっと前が8月28日?2ヶ月ぶりです。そんなに読んでなかったんですね。
自分でもびっくりです。
今回は黒崎さんがメイン……なはずなんですが、やっぱりほとんど喋ってません。
2、3言くらいでしょうか。
ワンクリック詐欺への復讐と、謎の連続不審火、その背後で暗躍しているチャイニーズマフィア。
その3つの視点で描かれています。
作品冒頭のワンクリック詐欺に引っかかる描写に関しては、ちょっと感心してしまいました。
スパムメールに記載されたアドレスにアクセスしないのが原則なので、そんな風になっているとはしりませんでした。
作中でも言われてましたが、あんなのに引っかかるのも逆にすごいな。
ワンクリック詐欺の復讐をしようとする男たちの仲間に黒崎さんと同じ流派の門下生?が出てきたので、お、とは思ったもののまさか黒埼さん本人が協力するようなことになるとは思いませんでした。
いろいろ問題ありそうなんですけど、いいのか。
いいんだろうなぁ。
男たちも結局お咎めなしみたいでしたし。
あそこの菊川さんはちょっとかっこよかったです。
今回公安あがりの刑事・梶尾が登場するんですが、嫌な人でした。
公安って他の作品なんかでも、刑事たちに嫌がられてるじゃないですか。
正直、公安が何をやっているのかとかしらないのですが、実際こんなんだったら係わり合いになりたくないなぁ。
まあ最後の「熨斗つけてくれてやった」って所でかなりすっきりしましたけどね。
毎度のことながら、キャップが可哀想でした(笑)
「百合根をちゃんと上司扱いしてくれるのは山吹だけだ」ってのにちょっと笑ってしまいました。
STメンバーに協調性なんてもの求めちゃいけないってのはわかるんですけどね。
でも、ちゃんと作品冒頭で「警部殿」が嫌みから愛称に変わっているとか書かれてますからちゃんと認められてはいるんでしょうけどね。
今回はどちらかといえば悪者に痛い目を見せてやる痛快っぽい感じだったのですっきりしました。
やっぱりこのシリーズは読後感がいいですね。
STシリーズも文庫はあと1冊。そのうち読んでしまおうと思います。
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