そして彼女は神になる ヒーローはジャージに着替えて悪を討つ/松原真琴
中途半端な霊媒能力を持ち、人気バンドのギタリスト・十郎の霊に作曲をさせて印税をしこたま稼ぎ、十郎が鍛えているせいで、そのへんの不良を一発で殴り倒せる腕力を持つ以外は、平凡な女子高生である園原八重。
文化祭に悪友から持ちかけられた企ては、ジャージ神になれ! というものだった。
……ていうか、ジャージ神て!
「ヒカルの碁」「DEATH NOTE」の小畑健とのコラボによる、幽霊コメディ第2弾登場!
以前紹介した
そして彼女は拳を振るうの続編です。
先日
べるぜバブを紹介したときに畑山先輩からジャージ神さまを連想してしまったので読みたくなって。
図書館にあったので借りてきてしまいました。
あらすじにもある文化祭の話
「そして彼女は神になる」と、
美果さんと八重さんの出会いを描いた
「星に願いを」を2編が収録されています。
それではまず、
「そして彼女は神になる」の感想をば。
えっと、まずジャージ神さまっていうの正体から。
ジャージ神さまはバスケ部の有志劇『武蔵野南戦隊ジャージマン』に登場するキーパーソンなんです。
序盤にスーパーパワージャージを授けるキャラクターらしいんですが、八重の悪友・升野がそのジャージ神さまの衣装(というか着ぐるみ)を八重のサイズで作成。
クラスの催し「音楽喫茶」に参加したくないがために、協力することになるんです。
そこで軽音部の小坂先輩と、その小坂先輩に取り憑いていた幽霊・藤井と関わることになります。
ジャージ神さまのパートや、AUBEメンバーや升野たちとのやりとりなんかは普通におもしろかったのですが、すごく切ない気持ちになりました。
藤井の気持ちがすごく複雑だろうなぁ、と。
護るべき対象であった小坂先輩の成長を受け入れられなかった藤井。
こういう幽霊モノだと比較的ありがちな展開だと思いますけど、やっぱり切ないなぁ。
前巻に比べてかなり後味の悪い成仏でした。
次、
「星に願いを」。
美果さん視点の話。
園原家に出入りするようになるきっかけと、美果さんが死んだ日の出来事。
美果さんの両親の話とか「へぇー」って感じ。
勉強することが苦じゃなかったからあんなにも頭がいいんですねー。
八重の母・亜美のペンネームは「井出流心(いでるしん)」=「死んでいる」のアナグラムなんですよ。
文豪を憑依させて作品を書いてもらっているからこそのペンネーム。
文豪たちは書き終えると消えてしまうらしいのですが、シリーズものはなかったってことなのかな?とかすごくどうでもいいこと考えてしまいました。
今回もまた伏線は放置です。
八重が見た夢の正体はいったいなんだったんでしょう。
あとがきによると次巻(多分、最終巻?)でどうにかするらしいので楽しみにしていたいと思います。
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