万能鑑定士Qの事件簿 1/松岡圭祐
東京23区を侵食していく不気味な“力士シール”。誰が、何のために貼ったのか? 謎を追う若き週刊誌記者・小笠原は、猫のように鋭く魅惑的な瞳を持つ美女と出会う。凜田莉子、23歳――瞬時に万物の真価・真贋・真相を見破る「万能鑑定士」だ。
信じられないほどの天然キャラで劣等生だった莉子は、いつどこで広範な専門知識と観察眼を身につけたのか。稀代の頭脳派ヒロインが日本を変える! 書き下ろしシリーズ第1弾!!
万能鑑定士Qの事件簿 2/松岡圭祐
『週刊角川』記者・小笠原は途方に暮れていた。わずか2日で、コンビニの弁当は数千円から数万円に、JRのひと区間は九千円以上になり、いくら金があっても足りないのだ。従来のあらゆる鑑定をクリアした偽札が現れ、ハイパーインフレに陥ってしまった日本。だが、まだ万能鑑定士・凜田莉子の鑑定がある!
パーフェクトな偽札の謎を暴き、未曽有の危機から国家を救うことができるのか!? 書き下ろし「Qシリーズ」第2弾!
図書館で借りてきました。
1、2巻は実質上下巻なので一気に紹介します。
目立つ表紙なので書店で見かけて前々から気になってはいたんですが、自分で購入する踏ん切りがつかず今に至っていました。
今回、図書館でシリーズまとめ買いしてくれたんで読んでみました。
このシリーズ、YAコーナーに置かれていたんですが別にYAではないですよね?
一般書籍だと思うんだけど、図書館で表紙で判断されてしまったのかな。
正直、1巻は読みづらかったです。
というのも、1巻は現在過去未来が混在して描かれているんです。
小笠原と2人で力士シールについて調べたり、不可解な料理教室にいって奇妙な空き巣事件を未然に防いでみたりしているのが現在。
過去は莉子が地元沖縄から上京し、就職試験に苦戦し現在の店を構えるまでの様が描写されています。
未来は、偽札が出回ったことで急速にインフレが進み、日本が大混乱に陥る様が描かれています。
2巻まで読んでみると、莉子の過去が描かれたことにも意味があるんだとわかるんですが、1巻時点だと意味があるように思えないんですね。
だから、「なんで1巻冒頭で過去編なんてやってるんだろう?」とすごく不思議でした。
名探偵の過去は確かに気になることですが、それを明かすのはもうちょっと名探偵の能力が読者に認識されてからででいいんじゃないかな、と思う派なので。
上下巻と銘打っていないものの、実質上下巻なので出来ることですね。
ぶっちゃけ、途中で読むのやめようかと思いました。
なんというか、前半の過去編が本気でだるくて。
2巻まで読めばそれなりに楽しめましたから最後まで読んでよかったです。
大混乱を起こした犯人の動機がわからず、首をかしげていたので動機が明かされたときなるほどなぁ、と。
犯人は悪い人ではなかったのでしょう。むしろいい人だったからこんな事件を起こしたのでしょうが……。
この人の罪は通貨偽造にあたるんでしょうが、社会的な混乱を思うとものすごい思い罪になりそうです。
でも、この混乱の背景にあるのは政府の発表した数字の計算がおかしいってこともあるしなぁ。
その辺ちょっと気になりました。
このシリーズ、図書館ではひと通り購入したみたいなので折を見てまた続きを借りてきたいと思います。
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