パーフェクト・ブルー/宮部みゆき
地元の高校球児のスター・諸岡克彦が、謎の死を遂げた。それは、全身にガソリンをかけられ、火だるまになるという残忍で奇怪な事件だった。偶然その場に居合わせた、弟の進也、蓮見探偵事務所の加代子、そして<俺>は、その死の謎を解き明かすべく捜査を開始する。
元警察犬<マサ>の視点で描く、宮部みゆきの単行本デビュー作。
図書館で借りてきました。
宮部みゆきさんの作品も実はこれで3作目なんですね。
カテゴリ作りました。そんなに読んでいる気はしなかったのですが。
宮部みゆきさんの初期作品ということで期待と不安半々で読み始めたのですが、思っていたより楽しめました。
あらすじにもあるとおり、この作品は犬のマサの視点で語られます。
元警察犬で負傷したことにより現役を引退、探偵事務所に引き取られ調査員でありその家の娘である加代ちゃんこと加代子の護衛兼良き相棒です。
家出少年を連れ戻しにいくという簡単な依頼なはずが、残忍な事件に巻き込まれていきます。
はじめあまりにも簡単に事件に決着がついてしまったので、「えこれって短編集なの?」と目次を見直してしまいました。
長編で、それは間違った決着だったっていうのが真相だったんですけどね。
正直、犬視点である必要があったのかは微妙でした。
別にマサ視点じゃなくてもいいんじゃないのかな、と思って読んでいました。
柴田よしきさんの
正太郎シリーズのように、動物しか知らないこと、動物だからわかることというのがないので。
それがちょっと残念でした。
あとはそうですね。
途中で製薬会社サイドの話が入っているのですが、それがすごく唐突に感じてしまいました。
あとで話が繋がるんですが、いったいどういうことなんだろう、とちょっと首を傾げてしまいました。
進也くんがかわいくて好きでした。
ああいう生意気な少年って好きなんですよねー。
正直、彼がこれから先どう成長していくのかが気になりました。
きっとかっこよくなるんだろうなぁ。
途中と最後での諸岡氏の語りに思わず涙してしまいました。
「お前たちが二人一緒にいるのをながめることは、もうできない」
親の知らないところで仲の良かった兄弟。
この兄弟が仲良くしているところも見たかったな、と思ってしまいました。
途中の高校野球に対する見解(マスコミがスターを作りあげること、連帯責任についてなど)は頷きながら読んでいました。
この作品ってシリーズ化しているのかな?
確か1冊はあったと思うので今度図書館で探してきたいと思います。
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