レンズと悪魔 7 魔神決壊/六塚光
強敵バルビーヨを撃破し、博物館につかの間の平穏が訪れた。そんなとき、西部の街フォッグビルに潜入し、ある人物の生死を確認して欲しい――という依頼が持ち込まれ、エルバたちはフォッグビルへ向かう。だがその街はアードレーという名の姉弟に支配されていた。成りゆき上、彼らと事を構えることになったエルバたちだったが、姉弟の放った一撃によって思わぬ危機を迎えることに! シリーズ第7幕、登場!!
先月、このシリーズ紹介してなかったんですね。
紹介したいシリーズが多いとやっぱり漏れがでるなぁ。
今回は、中短編集とでもいえばいいのかな?
本編とは少し離れた話です。
でも作者あとがきによると今後関わってくるものもあるのだとか。
『魔神決壊』と
『とげとオレンジとジャッジメント』が収録されています。
『魔神決壊』は雑誌スニーカーに3回にわけて掲載されたもの、『とげと~』は書き下ろしです。
まず、
『魔神決壊』から。
アードレー姉弟に支配された街・フォッグビルに向かう話。
アンテノラからの依頼で、エルバたちはとある男の生死を確認しにフォッグビルという街に向かうんです。
いろいろあってそこを支配するアードレー姉弟と戦うことになるんですが、その姉弟が持つ技術『結晶連鎖法(クリスタルチェイン)』なるものにエルバたちは苦戦を強いられます。
『結晶連鎖法』というのは大気中に存在し、悪魔や魔神、強いては塵器(ストライカー)を作り出す物質・塵を強制的に結晶化してしまうというもの。
塵だから虚体を作れるのであって、結晶になると大きすぎて虚体を作れないってことらしいです。
この話を読んだ正直な感想としては、アニメのオリジナルストーリーっぽいな、でした。
よくあるじゃないですか。アニメ化したら原作に追いつきそうになって、アニメオリジナルの敵やら技術やら持ってくるやつ。
この話はそんなイメージでした。
アードレー姉弟を倒すすべというのは、ある意味盲点でした。
ちゃんと描写されていたのに気づけなかったのはちょっと悔しいです。
アードレー姉弟の父であり、過去の八眼争覇の優勝者であろうベイセル・アードレー。
彼の行方はしれません。
アンテノラの台詞によるとブルティエールに来ている可能性が高そうですが、過去の優勝者たちがブルティエールに集いつつあるのは何か意味があるんでしょうか……?
次、
『とげとオレンジとジャッジメント』。
スパイクボールなる競技をプレイする話。
スパイクボール自体はとげつきボール&悪魔の力でプレイするホッケーとでもいったところでしょうか。
元々荒っぽいルールのようですが、今回エルバが挑戦するのが、マーレボルジュ主催の裁判スパイクボールだったためさらに荒いです。
「これに勝ったら無罪」という温情措置なのかと思いきや、ジャッジメントルールという特別ルールがあるためにかなり怖いものと化してます。
ジャッジメントルールは、原告チームにのみ適用されるルールで、「試合中に被告を殺しても勝利」という原告側にはかなり厳しいルールです。
ふつうにこわいですよ。
エルバたちは原告側なので、被告であるシェンを守りつつ、試合に勝たねばならないというわけです。
頑なに出場を拒んでいたカエデが、ぶちぎれて正々堂々反則するところにはちょっと笑ってしまいました。
カエデって基本しっかりしてますけど、ときどき天然だからなぁ。
代理人なる位置で登場した代理人・ホプキンスが気になります。
彼もまた八眼争覇に関わってくるのかな?
次巻もまた短編なのかな?
長編だとしたら残る魔神<闇照の魔神>ヤミ・ヤタとその契約者が登場するのでしょうか?
楽しみです。
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