ネバーランド/恩田陸
舞台は、伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みを迎え多くが帰省していく中、事情を抱えた4人の少年が居残りを決めた。ひとけのない古い寮で、4人だけの自由で孤独な休暇がはじまる。そしてイブの晩の「告白」ゲームをきっかけに起きる事件。日を追うごとに深まる「謎」。やがて、それぞれが隠していた「秘密」が明らかになってゆく。驚きと感動に満ちた7日間を描く青春グラフィティ。
昨日の宣言どおり、恩田陸さんの作品です。
微妙に作品がリンクしいている
「三月は深き紅の淵を」「麦の海に沈む果実」「黄昏の百合の骨」だと多分全部読みたくなってしまうでしょうし、
「上と外」は上下巻版を持っているのですが、両方を読むのはちょっと疲れるなぁと思ったので単巻完結のネバーランドを。
私の持っているものとデザインが違うのですが、なんででしょう。
手元にあるのは4人の少年の腰から上のシルエット?というかそんな感じのデザインのものです。
まあ中身は変わらないでしょうからいいんですけど。
あらすじにもあるとおり、4人の少年の1週間を描いた話です。
7日間となってはいるのですが、その通りクリスマスイブ(12月24日)から12月30日がメインに語られているとはいえ、初詣や年賀状を受け取ったとあるので正確にはお正月までですね。
先生や親なども登場するには登場するんですが、メインの登場人物は4人。
語り手となる美国(よしくに)。陸上部。両親は海外赴任中。
寛司。テニス部主将。美国に迫る? 両親は離婚調停中。
光浩。優等生ながら二面性があるらしい。両親は死亡。
統(おさむ)。寮生ではないながらも近所に一人暮らしなため入り浸る。母親は死亡。父親は種子島宇宙センター。
物語は彼らの秘密が語られていくことで進んでいくのですが、その秘密はかなり重いです。
人の生死はもちろん、昼ドラばりのドロドロ展開。それでも読後はさわやかなんですからすごいです。
恩田陸さんの作品ってすっごい普通に未成年の飲酒喫煙があるのですが、これもあります。
毎夜、酒盛りしてます。すっごいなぁ。
寛司VS美国でテニスしてる場面での寛司の怒りがよく分からなかった気がします。
その後特に触れられていなかったような気もしますし、いったいなんだったんだろう?
あれは怒りというわけでなく、真剣に相手と向き合っている、って意味だったのかなー、と読み終わったあと考えるとそう思います。
寛司が美国に迫るというか、アプローチをかけるシーンが何回があるんですがあれどこまで本気だったんだろう……。
これで作者があさのあつこさんならキスの1つや2つ……いや、高校生だし押し倒すくらいあっただろうなぁ、とか思いながら読んでました。
普通それっぽい描写がないのが普通で、たとえそれっぽい描写があってもそういうシーンがないのが普通なのに。毒されてるなぁ……。
途中2、3ヶ所太字になっている場面があったのですが、そんなことしなくても十分通じたんじゃないかなぁ。
ラノベだとか手紙部分とか呪文部分の字体が変わっているとかならそこまで気にしないんですけど、セリフだったし余計違和感を覚えたんだと思います。
あれは太字にしないで心理描写をあつくすべきだったと思います。
少年たちがそれぞれのトラウマや問題を乗り越えようとしているところで物語は終わっています。
少年たちが大人になった……たとえば10年後とかの物語が読んでみたいなぁと思いました。
5年後でもおもしろいかなと思いますが。
多分語られることはないでしょうがきっとおもしろいだろうなぁ。
明日は何だろ、ラノベか漫画か。まだ未定です。
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