ゴーストハント 1 旧校舎怪談/小野不由美
幻の傑作ホラー長編、初単行本化
全編にわたり入念なリライトが施された完全版!
取り壊すと必ず事故が起こると噂されている木造の旧後者。高校1年生の麻衣はひょんなことから、調査仁尾とずれた<渋谷サイキックリサーチ/SPR>所長・ナルの手伝いをするはめに。彼女を待っていたのは数々の謎の現象だった。旧校舎に巣食っているのは戦没者の霊なのか、それとも――? 麻衣とナルが出逢い、物語の出発点となったシリーズ第1巻。
図書館で借りてきました。
本屋で見かける度、気になっていたものだったので、図書館で見つけたときはすでに手に持っていた本を戻してこの本を借りてしまいました。
帯にもあるとおり、リメイクというかリライト作品らしいです。
元々はティーンズハートの「
悪霊がいっぱい!?」という作品だったらしいです。
ちなみにこのシリーズ、ホワイトハートでも続編が登場しているみたいですが、そちらは1作品(
上下巻)が刊行されたのち、止まってしまっているみたいですね。
そういや、小野不由美さんって
十二国記も止まってますよね……。
まあ、いいや。
「悪霊がいっぱい!?」の刊行が89年だってことに驚きました。
作中で「世紀末云々」ってあったので、90年代後半の話なのかなーと思っていたのですが、まさか80年代とは。
創竜伝を読んだときも思いましたが、こういう時代に関係なく楽しまれる作品ってすごいですよね。
携帯が普及する前の話なので、電話って言ったら固定電話なんですね。そしてカセットテープとか懐かしかったです。
ちなみに、中学生の弟に「カセットって使える?」って聞いたら「無理」と即答されてしまいました。
あらすじにもある通り、主人公・麻衣がひょんなことから旧校舎の調査を手伝うことになります。
元々がラノベ――というか少女小説?なだけあって麻衣の口調になれるまで若干違和感というかイラつきを覚えてしまいました。
ストーリー的には旧校舎でおこる様々な怪現象にナルと麻衣だけではなく、巫女さんやお坊さん、エクソシストや霊媒少女まで現れて、あーでもないこーでもないと議論を巡らす話とでもいえばいいでしょうか。
幽霊の存在が認められていて専門家たちが集まるんだけれど、あくまでも「幽霊騒ぎ」を論理的に解決していくというのにはちょっと拍子抜けしてしまいました。
それはそれでおもしろいんですけど、タイトルからして「いかにも」な除霊とか儀式とか悪霊におそわれるとかあるもんだと思っていたので。
でも怪談の尾鰭部分をそぎ落としていったり、科学的な機械を使って、幽霊の仕業であることを否定していく様はなかなか楽しかったです。
ただ、最後いきなりのように超能力の話がでてきたときはちょっと混乱しかけてしまいました。
でもまあ、ナルの組織が「渋谷サイキックリサーチ」であることを思い出せばそうおかしいことでもないのかな、と。
「サイキック」=超能力ですからね。
その名称なら幽霊騒ぎにだけ固執するよりはそれっぽいです。
ちょっと気になったこと。
ナルは調査の過程で、麻衣のクラスメイトたちに電話連絡しています。
そして、調査終了後に麻衣の連絡先がわからなかったから、と学校に連絡しているんです。
クラスメイトたちに関しては多分学校側から電話番号を入手したんだと思うのです。
そのときに麻衣の友人の連絡先だけをピンポイントに聞いたとは思えないので、クラスの連絡網とか名簿とかそういうのを貰ったんじゃないのかなーと思うわけですよ。
この頃ならまだ個人情報とかうるさくなかっただろうし。
なら、麻衣の連絡先も載っていたのでは?と勘ぐってしまいました。
そして、給料云々言っているってことはナルはカメラの賠償だとかあんまり気にしてなかったってことなんでしょうか。
麻衣がカメラを壊してしまって弁償できないだろうし、助手が怪我してしまったから代わりに臨時助手を務めていたわけでしょう?
うーん、よくわかりません。
その電話で麻衣をアルバイトとしてスカウトしたナル。
2つ返事で引き受けていますが、これから先どんな調査をしていくのか今から楽しみです。
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