ぼくの、ミギ/戸森しるこ(絵/アンマサコ)
ぼくらは、今までも、これからだってずっと、
ふたりでいっそくだ。
いっしょにいなくちゃ、意味がない。
たいせつなきみを見つける小さなくつ下の大冒険
ぼくたちは、ふたりでいっそく。br ぼくのたいせつなミギを、かならず見つけてみせる。
産経児童出版文化省フジテレビ賞受賞作家の最新作!
図書館でたまたま目にしたので借りてみました。
児童書というより、絵本といった方がいい感じの内容でした。
物語は人間たちが寝静まった深夜。
小さな赤い靴下のヒダリ側である"ぼく"。
赤い靴下は三人兄弟の真ん中である男の子の靴下です。
けれど、ここのところ男の子に履かれることもなく、チェスト番地の奧の方で身を縮めていました。
だって、長いこと片方しかないって分かったら捨てられてしまいます。
小さな赤い靴下のヒダリ側である"ぼく"は唯一無二の相棒である"ミギ"を探しに家の中をあちこち探しにいきます。
人に履かれることで歩くことが出来るようになるという靴や靴下たち。
そのため、相方のいない大きな靴下ビッグは歩くことが得意でないとか(クリスマスのプレゼントが入れられる靴下だから)、
デンセン病にかかりやすいストッキングさんとか、
右も左もない決まったペアのいない通学用のハイソックス・制服シスターズとか、
なるほどわかりやすいし面白いな、と序盤は関心していました。
(デンセン病が子どもに伝わるかはともかく)
"ぼく"は家中を探す中、上の方から声をかけられます。
人間に動いてる所を見られるともう二度と動けなくなってしまうという噂がある靴下界。
"ぼく"はとってもびっくりするのですが、そこにいたのは人ではなく、立ち上がっていたはずの耳がくたりと折れてしまったうさぎのぬいぐるみでした。
うさぎは男の子のお気に入りで、耳を持って歩かれていたのでくたりとしてしまったのだとか。
うさぎから、ヒダリの手がかりを手に入れ、"ぼく"は男の子の部屋を訪れるのです。
そこで待っていたのは、少し悲しい真実でした。
序盤であった伏線は、ごめんなさい。
そういうことでなくて、お姉ちゃんの思春期的なアレコレかと思ってしまいました。
(だって、お父さんの靴下と一緒に洗濯しないで!って結構メジャーなやつですよね?)
最後の最後に、一番下の女の子・エリちゃんの言葉で新たな役割を与えられた赤い靴下の彼ら。
彼らはこれから先も、この兄弟たちを見守るんだろうなと思うとなんだか胸が温かくなりました。
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