よろず御探し請負い候/浅野里沙子
物、人、そして心まで。何でも探す凸凹三人組。
江戸で「御探し物請負屋」をやっている藤井文平は元服前の十六歳。優男の森川哲哉と、巨漢の本田岩五郎が、暇つぶしの押しかけ助手として文平を手伝っている。一筋縄ではいかない探索に、古美術や季節の風物を盛り込んで描く珠玉の連作時代小説。
図書館で借りてきました。
今回これしか借りてこなかったんで「え、いいの?」みたいな顔されました。
いや、確かに毎回たくさん借りてますけど。
【蒔絵の重ね】
【花篝】
【綴れ刺せ】
の3編が収録されています。
まだ元服前の少女顔の少年・文平が元々やっていた「御探し物屋」を2人の侍・哲哉と岩五郎が手伝うようになる、ってところから始まります。
彼らが出会い、支えあい、一見何の問題もないように見える各々が抱えている問題を消化していくとでもいえばいいでしょうか。
依頼を受けて捜し物をしていく課程で、彼らの内面に少しずつ触れていくんです。
文平の過去話に関して読んでいて、すごく大人だなぁと思いました。
まあ時代が時代ですから、子どもとはいえ真剣だったんだろうな、と。
親も七緒の先が長くないことがわかっていたからこそ、二人の逢瀬というか、付き合いというか我がままを許したんでしょう。
この作品を読む限り、この時代の身分差というのはかなり大変なもので。
身分差上にどうしようもないことがあるということが何度も触れられています。
もし、七緒に人相応の生が約束されていたら、文平は近づくことすら出来なかったんでしょうね。
で、作者の浅野さん。
私全く知らないで、というか気にせず借りてきたんですが、この方亡くなられた北森鴻さんの
蓮丈那智シリーズを書き上げられ、連名で発表された婚約者の方だったんですね!
北森さんの
触身仏の感想を書く際に名前も記載して紹介しているんですが、すっかり忘れていました。
巻末とカバー折り返し部分の作者紹介でその旨が書かれていて驚いてしまいました。
こういう作品書かれる方だったんですねぇ。
物語としては可もなく不可もなくといった感じなんですが、読んでいてシリーズ化しそうだな、と思いました。
女性が書いているだけあって、凸凹三人組は変な意味じゃなくて女性受けが良さそう。
シリーズ化したとしても自分ではきっと買いません。図書館で見かけたら借りるかも?といった程度です。
蓮丈那智の方は読んでみたいのですが、そろそろ図書館で一度検索かけてみるべきかもしれませんね。
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