キノの旅 ―the Beautiful World―/時雨沢恵一
「キノはどうして旅を続けているの?」
「ボクはね、たまに自分がどうしようもない、愚かで矮小な奴ではないか? ものすごく汚い人間ではないか? なぜだかよく分からないけど、そう感じる時があるんだ。……でもそんな時は必ず、それ以外のもの、例えば世界とか、他の人間の生き方とかが、全て美しく、素敵なものの様に感じるんだ。とても、愛しく思えるんだよ……。ボクは、それらをもっともっと知りたくて、そのために旅をしている様な気がする」
―――短編連作の形で綴られる人間キノと二輪車エルメスの旅の話。
今までにない新感覚ノベルが登場!
なぜか家に1巻だけあったのでキノ旅を紹介します。
映画化もされていますし、ラノベ作品の中でも比較的有名なものではないでしょうか。
私も高校時代に友人に借りて5、6巻まで読んだ覚えがあるのですが、内容はすっかり忘れていました。
【第1話 人の痛みが分かる国】
【第2話 多数決の国】
【第3話 レールの上の三人の男】
【第4話 コロシアム】
【第5話 大人の国】
【第6話 平和な国】
とプロローグ&エピローグが収録されています。
物語の内容としては
「主人公のキノが、相棒のエルメスと旅をします。あちらこちらの国を、見て回ります。……以上です。」とある作者あとがき通りです。
それ以上でも以下でもない。
ただ、キノが旅をして様々な習慣や決まりや歴史のある国を訪れ、去っていく。
それだけなんです。
まあ、5話だけ少し毛色が違いますが、それくらい。
でも、訪れた国の常識は描かれても、世界観がよくわかりません。
エルメスや陸が喋ることにとくにつっこまれることもなく、科学がめちゃくちゃ発展した国もあれば、荒廃していく国もある。
言語の統一については、まあラノベやマンガならよくあることだから別にいいのかもしれませんが。
どことなく定まっていないというかふわふわした印象を受けました。
高校生のときはあまりおもしろいと思えなかった記憶があるんですが、今読むとすごく考えさせられます。
絶対少年というアニメがあるんですが、読んでいてそれの主人公・歩くんのお父さんのセリフを思い出しました。
「常識というのはその時代その場所の最大公約数にすぎない」。
要約すると確かこんな感じ。ノベライズ持ってるんですが、確認してないんで間違って覚えていたらごめんなさい。
旅人であるキノ、そして読者である私たちはその最大公約数に含まれない。ある種の異端なわけです。
だから、その国の常識に対して疑問だったり気持ち悪さだったりを覚えるわけですね。
キノというのは本名じゃなくて、自身をかばって死んだ旅人の名前を受け継いだもの。
これは覚えていたんですが、本名不明なキャラクターって結構いろいろいるもんですね。
思いつくままにあげると
戯言シリーズのいーちゃん、
涼宮ハルヒシリーズのキョン、
xxxHOLiCの侑子さん、
千葉千波シリーズのぴーくん、
禁書目録の一方通行だとかもそうかな。
結構いるな……。
コロシアムで登場するシズさんが気になります。
この人絶対性格悪いと思うのですが、どうなんでしょう(笑)
2巻以降持ってないし、買うつもりもない。さらに過去に読んだはずなんですがすっかり忘れてしまっているので、シズの性格なんて覚えていません。
それだけは気になるなぁ。
図書館にもないし、誰かに借りるとかいうのも厳しそうですが、2巻も読みたいかも。でもこれ以上蔵書増やしたくないので、買いたくはないんですよ。どうしよ。
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