ジャズと落語とワン公と 天才!トドロキ教授の事件簿/赤井三尋
天才は天才を知る!
「久しぶりに頭のめぐりのいい男に会った」
来日したアインシュタイン博士の危機に、名探偵教授が快刀乱麻を断つ。
乱歩賞作家が軽妙に描くレトロモダン推理小説
大正から昭和初期の実在人物が続々登場。3つの事件の謎を追い、大学教授師弟が帝都トーキョーを駆けめぐる。
早稲田大学の等々力教授は専門の言語学だけでなく、推理力でも超人的。大正11年、ノーベル賞受賞決定直後に来日したアインシュタイン博士の愛用するバイオリンが盗まれた。限られたチャンスに大胆不敵な犯行を成し遂げた真犯人と、その意外なねらいとは。
図書館で借りてきました。
タイトルがタイトルなので、いったいどんな話なんだ!?となりまして思わず手にとってしまいました。
『秋の日のヴィオロンの溜息』
『蛙の水口』
『ジャズと落語とワン公と』
上記3編が収録されています。
形態としては以前紹介した
安吾探偵控と近いものがあるのかもしれません。
実在した人物が登場し、往年の助手が事件を語って聞かせるというものです。
探偵役は早稲田大学の等々力教授、助手は井上青年です。
等々力教授のもとに持ち込まれる謎を解いていきます。
安後探偵控よりは数段読みやすかったです。
この手の時代ものというかレトロものって読みにくい作品が多いのですが、これは結構サクサク読めました。
畠中恵さんいけるならいけるかと思います。
帯にもあったので、アインシュタインが出てくることには驚かなかったのですが、表題作に登場した“有名人”にはびっくりしてしまいました。
はじめは気付けませんでした(笑)
他にも、日本史の授業で習ったような人物たちの名前が出てきて、「おー」となりつつも歴史苦手なのでなんとなくしか覚えていなくてちゃんと楽しめないっていう残念さもありました。
こればっかりは私が悪いんですけどね。
作中で帝国ホテルや鹿鳴館の設計者がどうのって出てきて、
篠田真由美さんの建築探偵シリーズを思い出してしまいました。
この作品、シリーズ化しそうですね。
プロローグの語り口からして等々力教授の探偵としての功績はかなりのもののよう。
等々力教授自身はすでに亡くなっているであろうから、井上助手を通して回顧録をってことになったんだろうな。
まだまだ語られていないエピソードが山ほどありそうです。
井上青年の妻となったであろう牧江さんの話も気になるし。
続編が出たら読みたいなと思います。
というか改めて表紙見たら綺麗なお姉さんも渋いサックス奏者も出てきた覚えないな……。
いや、別にいいんですけどね?
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