セイギのチカラ/上村佑
ネットカフェで女子高生が首を切られ惨殺された。目撃者はゼロ!犯人は女の幽霊という噂しか情報のない事件に警察もお手上げ。この難事件に(なぜか?)立ち上がったのは6人の男と1人の美女。チャット仲間の彼らには(何の役に立つのかわからない…)しょぼい超能力があった。念力でティッシュが5ミリ浮かんだ!30センチテレポート!犬としゃべった!…で、どうなる?大人気!『守護天使』の著者・上村 佑が贈るサイキックアクションノベル。
表紙の可愛らしさと、帯の文句「しょぼ~いエスパーが凶悪テロ組織と戦う!?」とい文句に惹かれて購入しました。
このブログを何度か見たことがある方ならわかると思うのですが、私超能力とか妖怪とか大好きなんですよ。
即効レジに持って行きましたとも(笑)
表紙の印象とは違って、少し読みづらかったです。
ページ数がある上(376ページ)に文字も小さめなので、文量はけっこうあります。
その上、登場人物がやたら多い。
異能力者たち6人に刑事2人、医者2人がメインなのかな。
視点があっち行ったりこっち行ったりするので、序盤混乱してしまいました。
それでも後半は一気によめました。
正直、誰が主人公なのかよくわからない。伊能さんが主人公なのかもしれませんが扱いが中途半端。
昨日の
『覆面作家は二人いる』と同様、古本なら気にしないけど新品だとちょっと損した気分になりました。
能力の設定はおもしろいんですよ。
普通のサイキックものではなんの副作用もなく使うことができる能力(あってもせいぜい疲労くらい)が、この作品ではとんでもない副作用があるんです。
念力でティッシュを5ミリ浮かべることができる! …ただし髪の毛が抜ける。
犬としゃべった! …犬の習性が身についてしまってしばらく犬のような行動をとってしまう。
GPS機能を手に入れた! …しばらく動けない上に本音をぶちまけてしまう。さらに家族と笑顔を失った。
人の心が匂いでわかるようになった! …本物の味覚と嗅覚を失った。
インターネットの世界を自由自在に飛びまわれるようになった! …本体は植物人間。
人に認識されなくなることができる! …恋すること。
ぶっちゃけ能力よりも弊害の方がすごくて、こんな能力手放したいだろなぁと思うようなものばかりです。
それを使っていかに美女を救うのか、ってことは楽しみだったんです。
が、しょぼいはずの能力がどんどん強化されていってしまい、それに対抗するように事件もどんどん大きなものになっていってしまうんですよ。
この手の話はしょぼいままの能力で敵を打ち破るからいいんじゃないのかなーと。
あと土岐さんはなぜあんなにも複数の能力を持てたのかが気になりました。
なんかご都合主義というか。難しいのはわかりますが、もう少し最初の設定で頑張ってもらえなかったのかな?と思いました。
個人的にタケト(とその能力)が好きだったので、途中退場していたのは残念でした。
最後にチカラをうしなったはずの万全がチカラを使い……ってのは続きがありそうな終り方ですね。
続きがでても買うことはないでしょうけど、図書館にあったら借りてみたいな。
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