タロット・ナイト 星詠みの騎士/神野オキナ
悩んでいるあなたの背中を押します!
知らなかった過去、気づかない現在、そして見えない未来……
すべてタロットカードが教えてくれる――かな!?
アルバイト占い師が巻き込まれた小さな、でも重大な「事件」。
事故にあった姉のピンチヒッターで占い師になった瀬尾大介。怪しげな「占いビル」の一室で、女装をしながら七十八枚のタロットカードを見よう見まねで操り、依頼人の運命を占う。過去、現在、未来。三枚のタロットカードに秘められた様々な人生と思い……少年は依頼人の背中を押すことができるのか!?
長編青春ミステリー
図書館で借りてきました。
今回3冊しか借りてこなかったんですが、もうちょっと借りてくればよかったなぁ。
あらすじにあるとおり、瀬尾大介は事故で足を骨折して入院してしまった姉の代わりに占い師として働くことになります。
そんな大介が昔短期アルバイトの時に上司だった女性を助けるために頑張る話です。
帯のあらすじを読んで借りるのを決めたんですが、
あらすじだけ読むと連作短編っぽい印象を受けたんですが、帯にもあるとおり長編です。
あと、タロットカード78枚って帯にありますけど、それって小アルカナ込みの枚数ですよね?
占いに小アルカナって使うってあんまり聞いたことないし、作中でも大アルカナのことしか触れられていなかったんだけど、うーん?
まあ、いっか。
大介はエメリアという名前で、姉のピンチヒッターとして占い師として働いていくのですが、正直ちょっと物足りなかったです。
なんていうのかな。「様々な」というほど、客が来ていないんですよ。
いや、作中で描かれていないだけで数はこなしているんでしょうけど、作中でまともに描かれているのは最初の女子高生と白百合軍曹こと樟由美(ゆずりゆみ)だけ。
まあ、由美さんにふりかかりそうな悲劇を回避しようと動く話なので、そうなってしまうのも仕方ないでしょうけど。
正直、占い師の仕事の範疇は思いっきり超えてます。
でも、青春小説としてはそれなりに良かったんじゃないでしょうか。
ただ惜しむべきは、由美さんをメインにすえてしまったために、主人公とスズノのフラグが立った……?状態なことでしょうか。
これもうちょっと続けたら絶対フラグ立った!ってなるのに。
うーん、由美さんを助けるために一緒に動くとかしたら良かったなぁ、と思ってしまいました。
物語としては続かないのかな?
姉が退院し、エメリアは引退ということですから。
昨年3月発売の作品なので、続くならそろそろ出ていてもおかしくないんですが、なさそうですね。
まあ終わり方としてはキリがいいのでこれはこれでいいと思います。
はじめて読む作家さんだったんですが、他の作品も読んでみたくなりました。
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