ヴァン・ショーをあなたに/近藤史恵
下町のフレンチレストラン、ビストロ・パ・マルのスタッフは四人。二人の料理人はシェフの三舟さんと志村さん、ソムリエの金子さん、そしてギャルソンの僕。気取らない料理で客の舌と心をつかむ変わり者のシェフは、客たちの持ち込む不可解な謎をあざやかに解く名探偵。
近所の田上家のスキレットはなぜすぐ錆びるのか? しっかりしたフランス風のパンを売りたいとはりきっていた女性パン職人は、なぜ突然いなくなったのか? ブイヤベース・ファンの新城さんの正体は? ストラスブールのミリアムおばあちゃんが、夢のようにおいしいヴァン・ショーをつくらなくなってしまったわけは?……
絶品料理の数々と極上のミステリをどうぞ!
ブクログ談話室で何度か紹介されているのを見て気になっていたのですが、先日図書館に行った時にたまたま見つけたので借りてきました。
タルト・タタンの夢の続編みたいなんですが、短編連作というかこれだけ読んでも問題みたいなんで前作は読んでないんですが借りてきました。
というか地元の図書館にタルト・タタンはないみたい。これだから田舎は困りますね。
『錆びないスキレット』
『憂さばらしのピストゥ』
『ブーランジュリーのメロンパン』
『マドモアゼル・ブイヤーベースにご用心』
『氷姫』
『天空の泉』
『ヴァン・ショーをあなたに』
の7編が収録されています。
1時間ほどで読み終わりました。
私が1時間で読み終えられるのは児童書やYA!ENTERTAINMENT作品、一部のコバルト文庫やビーンズ文庫くらいかな。
スニーカー文庫は2時間、電撃文庫や一般的な分厚さの文庫は2時間半から3時間程度。
そう考えるとどれだけサクサク読めるかがわかると思います。
軽いミステリーを読みたいと思っている人にはいいかもしれませんが、普段分厚い作品を読みなれている人にはちょっと物足りないかも。
正直、私には物足りなかったです。
日常系ミステリーなんですが、ミステリーとしてはそこまでおもしろいとはいえない気がします。
キーになるものがフランス語だとか料理だとか専門的なものが多いんです。
フランス語どころか英語すらまともにわからない身としては「そうなの?」としかいえないというか。
読書しているとそういうことは多いですが、この作品はちょっとそれが専門的すぎるんじゃないかなーと。
本編中に出てくる単語もフランス語とか料理に関してもあまり一般的とは言えないんですよ。
上に各タイトル並べてますけど、正直はじめ見たとき「スキレットって何? ピストゥ? メロンパンやブイヤベースはわかるけど……」って感じだったんです。
正直、よくわからない単語をよくわからないまま読み進めているうちにいつの間にか終ってしまった、って感じ。
ミステリーとしてではなく、普通に短編連作として楽しむ分には十分だと思います。
作品自体は嫌いじゃないので、今度またこの作者さんの作品を借りてきたいと思います。
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