夏のキグナス 三軒茶屋星座館/柴崎竜人
好きな人と手をつなぎ、星空を見上げたくなる――
夏の星座は「恋」と「友情」。
どこまでも熱く激しく、そして愛しい。
一話読み切りどこから読んでも楽しめます!
"家族"の絆と秘密の物語愛されて第2弾!!
まったく新しく、どこか懐かしい『三軒茶屋星座館』はこんな小説です!
その1 ギリシャ神話の「超訳」が彩る、私たちの物語
星座館で和真が語るのは、よそでは絶対に聞けない、バカで不器用え欲深い、どうしようもなく人間くさい神々の姿。大胆な現代版アレンジで、楽しく簡単に神話が学べます!
その2 現代家族の在り方を問う、新しい「絆」の物語
星座館では別々に育った双子の兄妹と、血のつながりのない娘がともに暮らします。そして様々な事情を抱えた常連たちが集う。疑似家族としての「絆」を作っていきます!
その3 都会であり下町でもある、実在する街の物語
物語には、実在する場所や店が数多く登場。その風景を思い浮かべながら、または知らない街を旅するような、街と密接に結びつく新しい小説の楽しみ方が味わえます!
図書館で借りてきた1冊です。
この方の作品は2冊目ですね。
【第一章 白鳥座】
【第二章 ヘラクレス座】
【第三章 蟹座】
【第四章 獅子座】
【第五章 乙女座】
が収録されています。
以前紹介した「
三軒茶屋星座館」の続編になります。
タイトル通り三軒茶屋にある星座館が舞台です。
そこのマスターである和真と、和真の双子の弟である創馬、そして創馬の娘である月子の三人がメインのキャラクター。
星座館の客が持ち込んだ問題を和真が星座に関する物語を語りながら解決していくというのが基本スタンスです。
一応、2巻目ですが、前巻のあらすじがありますし、その中で主だった常連客の説明もされているのでここから読んでも多分大丈夫。
ただ、そのあらすじを説明してるのが和真が語る神話のゼウスなのでかなりウザいです(笑)
帯には、「どこから読んでも楽しめます」とありますが、素直に順番に読むことをおすすめします。
この物語では、1話ごとにそれぞれ問題が発生し、解決していきます。
それだけ見ると一見、どこから見ても大丈夫な感じなんですが、完結登場人物たちの複雑な人間関係や、和真の口から語られるギリシャ神話などが続きものであったりするんですよね。
だから、順番に読んだ方がわかりやすいと思います。
まあ、人間関係(というか背景)こそ複雑ですが、和真の語る神話はかなりわかりやすくアレンジされているのでそこまで身構えなくても問題ありませんが(笑)
面白かったです。
今回は、月子の母についての秘密が少し明らかになりました。
が、何故彼女がアメリカに渡ったのか、月子の父が誰なのかはやっぱりまだわかってないんですよね。
正直、この営業っぷりで星座館の経営は全く成り立たないだろうなぁ、と。
前巻では人気が出てきたと思ったら、和真の過去バレで客足が遠のき、今巻は雑誌で取り上げられたと思ったら、和真が引きこもって長期にわたる休業ですから。
ピカ爺が常連じゃなかったらまずいよな、とよく思います(笑)
前巻が冬の星座、今巻が夏の星座の話なんですよ。
春の星座は飛ばしてしまったようですが、秋がある可能性も、季節が大きく回って春をやってもおかしくないのかな?とも思います。
3巻目については特に示されてませんし、Amazonで作者さんの新刊情報をチェックしてみたんですが、12月に発売される新刊「
あなたの明かりが消えること」はタイトルからしてこのシリーズには関係なさそうです。
いつか続きが出るかもしれませんね。
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