少年八犬伝/小野裕康
ある日、ケンタとイカンガーの前にあらわれた少女エリ。大きな白犬を連れ、八つの玉の出現のため奔走していた。
大好きな先生の失踪事件。廃空港にひそむ怪物。砂の中からあらわれる電話ボックス……。
一連のできごとはつながっている? ――現代によみがえる八つの玉と八犬士たちのたたかい。
あらすじで「現代によみがえる」とありますが、これ以外と古い作品だったよう。
これ、新装版らしくもともとは1988年発売の上下巻とのこと。
後付を見るまでとくに気にせず読めましたけど、20年以上前の作品だとは思いませんでした。
けど、創竜伝も1巻はこれと同じような時期ですし、そうおかしなことではないのかな?
これ、かなり分厚いです。618ページもありました。なのでお値段も2400円とお高め。
図書館で借りてきたんでそこは問題ないんですけど。
私基本的に本を読むスピードははやい方だと思うのですが、これだけあるといくら児童書でも時間がかかりました。
きちんと数えていたわけじゃないんですが、それでも4時間とかはかかったんじゃないでしょうか。
うーん、長かった。
物語は少年少女が8つの玉の力を借りて、悪に立ち向かっていく勧善懲悪もの。
正直、絶賛できるほどおもしろいとは思えませんでした。
でも、読みやすいというか飽きることなく読み進めることが出来る程度にはおもしろい。
長期休みの暇つぶしにはちょうどいいかも。
舞台は千葉県です。
が、千葉って一言も出てないんですよね。
「県の~」とかそういう表現のみ。
千葉ってわかるのは物語序盤で滝沢馬琴の八犬伝の説明をしているときに「江戸時代の人が書いたこの県を舞台にしたお話だよ」みたいなことをいってるんです。
それがあるから千葉って分かるくらいで、徹底的に直接的な表現は避けられています。
まあ、県がめちゃくちゃ悪くかかれてますからね。そういう扱いになっているのも仕方ないのかも。
さまざまな出来事がおこるのですが、中途半端な印象を覚えました。
主人公のケンタのお母さんがほぼ悪役で登場するのです。
で、最後の最後で子どもたちを救うために頑張るってのはいいんです。
でも頑張りすぎて倒れて記憶を失ってしまうとか。
……興ざめしてしまいました。
それって結局何にも解決してないんじゃないかな、と。
途中途中思うところはあったものの暇つぶしにはよかったです。
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