少年少女飛行倶楽部/加納朋子
中学1年生の海月が幼馴染の樹絵里に誘われて入部したのは「飛行クラブ」。メンバーは2年生の変人部長・神、通称カミサマをはじめとするワケあり部員たち。果たして、空に舞い上がれるか!?
これもまた図書館で借りてきた作品です。
タイトルに惹かれて借りてきました。
以下、飛行クラブの「空を飛ぶこと」に関する条項。
1.あくまで「自分自身が」飛行することを旨とする。
2.当然ながら、「落下」は「飛行」ではない。
3.航空機やヘリコプターなどの飛行は除外される。
4.究極的には、理想を言えばピーター・パンの飛行がベストである。
これが帯に書かれていたのですが、正直な話「無理だろそんなもの」と思う一方、「どうなるんだろ?」と気になってしまいました。
思ったとおり、おもしろかったです。
表紙の女の子たちがどれが誰なのかよくわからないのでそれがちょっと残念。
真ん中の黒髪の子が主人公・海月ことくーちゃんかな?
男の子はすぐにわかるんですけどね。
ミツキちゃんがとてもいい子でした。
はじめは幼馴染にひきずられて入ったクラブだったのに、いつのまにやら中心人物になり、最後にはとうとう空を飛んでしまう――。
ミツキちゃんが皆に好かれて過ぎていてびっくりしました。
一緒にいて疲れない子なんでしょうね。
作中で「2人組」の話が出ていましたが、多分ミツキちゃんは誰と組まされても平気な子なんでしょう。
相手がどんなにアクの強い人でもなんだかんだいってうまくやってしまうという。
途中、「銀魂の銀さんも」にちょっと吹いてしまいました。
まあ、確かに? 銀さんというか、銀魂は中2ネタ大好きですからね。
そして、「空を飛びたい」という部長も中2。
イライザの元ネタも多分キャンディキャンディか何かだと思うんですけど、こういうの結構好きだなぁ。
先生にイラっとさせられました。
さんざん放置しておきながら、否定だけしていくという。
あそこにイライザがいなければ、ああもうまくいかなかったんだろうなぁ。
多分、イライザがつかんだ先生の弱みは……情報源がレンタルビデオ店勤務のイトコからってことはちょっと変わった性癖か何かあるんだろうなぁ。
教え子にそんなこと知られるとは先生も可哀想に。
るなるなの無謀さにもちょっとイラッと。
それが「高所平気症」の症状だってことなんですかね?
あまり詳しくないんでよくわからないんですけど。
今回の事件で「恐怖」を覚えたことはるなるなにとってもよかったんじゃないでしょうか。
ラストのエピローグ的なやりとりがかわいらしかったです。
さすが中学生。
あの終り方はなんともほんわかさせられてよかったです。
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