心霊特捜/今野敏
これも図書館で借りてきた作品です。
STシリーズの今野敏さんの作品であること、タイトルからして「イロモノ」なんだろうなーと分かり、思わず手にとってしまいました。
あらすじは、『R特捜班』別名『心霊特捜班』が心霊現象が絡む事件を担当する話。
連作短編集です。
R特捜班のメンバーは下記のとおり。
番匠警部、班長。よれよれの背広。統率力は抜群。
数馬主任、古神道伝承者。迫力満点。
鹿毛巡査、密教系の寺の実家。パンクロッカー風。
比謝巡査、沖縄出身のノロ。マイペースな紅一点。
岩切大吾、R特捜班の連絡係、恐がり。
『死霊のエレベーター』『目撃者に花束を』『狐憑き』『ヒロイン』『魔法陣』『人魚姫』の6編が収録されてます。
前述の通り、STシリーズの今野敏さんの作品なんですが、思っていたよりおもしろくなかったなーと。
短編であること、雑誌に掲載されていたものであることなどからある程度は仕方ないことだと思うのです。
が、同じような説明が何度も行われるんですよね。
そして、事件の真相と心霊現象の両方に触れられているのですが、それが中途半端というかなんというか。
どちらもあっさりと触れて終っているように感じました。
まずSTシリーズと比べてしまうこと自体がダメなのかもしれませんが、つい最近読みましたし、同一作者さんですしどうしても比べてしまいます。
どちらも「特捜」という名称で異色なものを捜査に取り込み、事件を解決していくという姿勢は同じです。
それだけに、STシリーズが上手く捜査に馴染んだ印象があるだけに、こちらの違和感が目立つんだろうなと思います。
というか、STシリーズは科学という認められたものを扱う一方、こちらは心霊という他人に認められることのないものを扱うからこういうことになるのかな?
主人公の岩切大吾が中途半端だなーと。
大吾はR特捜班との連絡係をやってるんです。STシリーズでいう菊川さんの位置ですね。
でも、菊川さんと違い、捜査官でもなんでもない刑事捜査課の所属。
ビビリであること、幽霊を信じないこととかはまあいいんです。
でもずっと「なんで自分が」って思っているのがいただけないな、と。
最終話『人魚姫』で少し意識が変わったぽいのでそれだけはよかったと思いました。
これがシリーズ化するかは疑問ではありますが、多分シリーズ化しても読まないだろうなぁ。
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