幻想郵便局/堀川アサコ
山の上、ぽつんと現れた賑やかな郵便局。
「これは魔法の鼎なのです」
「大奥様がくるわよ――っ!」
「物に尊敬語を使うな!」
「バイバイ、おにーちゃん」
アルバイトをはじめたアズサ。
得意なことは、“探し物”。
「ここから冥界に行くのよぉ」
「あたしを、殺すなんて」
「殺人という負債はなかったわよ」
「狗山比売は、登天郵便局の宿敵なのです」
平穏な日々が徐々に翳り、
『みんな、忘れてしまえ』
――絶体絶命の、危機。
ようこそ、登天郵便局へ。
図書館でタイトルに惹かれて借りてきました。
物語の主人公はアズサは短大卒のいわゆる就職浪人。友人たちが働き出す中、就職が決まっていませんでした。
そんなある日、アズサを指名してのアルバイト求人が入ります。
アズサはその指名を受け、登天郵便局でアルバイトをすることになります。
しかしその郵便局は地獄の1丁目だったのです!
人と幽霊、そして神様のやりとりを描いた物語とでもいうべきかな。
確かに幻想的と言ってしまってもいいのかもしれません。
でも、幻想的と言うには少しばかり現実味がありすぎるというか。
タイトルでなんとなく幻想耽美とでもいえばいいのかな?長野まゆみさんみたいな作品なのかなーと思っていたのですが、そんな感じではなかったです。
まあ、私長野まゆみさんの作品って5、6年前に何冊か読んだだけなんで、間違った印象を覚えているかもしれませんが。
幽霊と人が普通に会話して……っていう話は好きなのでそれはよかったです。
真理子さんを殺した犯人については途中というか満月食堂での会話が引っかかって「もしかして…」と思っていたので、驚きませんでした。
途中で狗山比売の手によって、登天郵便局はなかったことにされてしまうのです。
さすがは神って感じですが、蚊帳の外に置かれたアズサは、たった一人の生者だったからってことなのかな?
その辺はよくわからないですね。
でも、ラストでまた登天郵便局に行けるようになったっていうのは終わり方としてはキレイだなあと思いました。
狗山比売と郵便局でどういう話がついたのだろうとかそういうことは気になりましたけど。
どうにも続きそうな話ですが、これで終わりなのかな?
今年4月発売とかの本っぽいので、さすがにまだわかりませんね。
続きが出たら読みたいと思います。
ちょっと短いですが、今日はこの辺で。
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