恋するSP 武将系男子の守りかた/結月あさみ
イケメン戦国武将は、私が守ります!
要人介護を担う、ド新人SP女子の黒田千奈美は、長身美麗な外見とは裏腹に、中身は恋する乙女だった! そんな千奈美に下った命令とは、現代にタイムスリップしてきた武将たちの警護!?
千奈美が担当することになったのは、後の上杉謙信こと長尾景虎。時を同じくしてタイムスリップした織田信長、武田晴信と意気投合した景虎は、警護をくぐり抜けて大阪の街へ繰り出すことに!
新人SPの千奈美は、俗世の誘惑から武将たちを守り切れるのか!?
ブクログの献本企画でいただきました。
この手の企画であたるのは3度目だったりします。意外と当たるもんですね。
物語はあらすじにもあるとおり、主人公で新人SPの千奈美がタイムスリップしてきてしまった後の上杉謙信こと長尾景虎を守ろう右往左往したり、片思いの相手である上司の氷川の言葉や態度に一喜一憂する様が描かれています。
読み終わった(というか読んでいる最中から思っていたのですが)感想としては、作者さんは
どうしてこの作品を電撃小説大賞に応募したのだろう?でした。
実は、この作品、第22回電撃小説大賞銀賞受賞作なんです。
きちんとチェックしているわけじゃないんですが、電撃小説大賞ってラノベ界ではかなり有名な賞で、銀賞でも十分すごいレベルです。
ですが、電撃といったらやっぱりファンタジーだったり、学園ものだったりといかにもなラノベが多いイメージです。
メディアワークス文庫の方をねらったにしても少しばかりずれているような印象を受けました。
どちらかというと少女小説めいてるんですよね。
まあ、私も電撃もMWもそんなに数読んでるわけじゃないんであくまで私個人の印象なんですけどね。
はじめタイトルから想像したのは、SPの主人公が戦国武将たちに逆ハーされる話なのかな?でした。
一昔前、スタイリッシュ戦国ゲームの二次で流行っていたあれです。
私、その作品に対して興味なかったんで概要ぐらいしかしりませんが、流行りましたよねー。
この作品は、想像とは違ってそういう逆ハーものではありませんでした。
ちょっとぐらついたりはするけど、あくまでも千奈美は一途です。(景虎もですけど)
物語としては戦国武将たちは未来をしったもののそれを秘めて戦国時代に戻っていって大団円となるわけですが、千奈美のお父さんの話だったり美紅先輩の話だったりと語られなかった未来がいったいどうなったのか気になりました。
あとぜんぜん関係ないんですけど、途中で信長の愛刀として「圧し斬り長谷部」が登場してテンションあがりました。
いや、私審神者やってないんで、キャラビジュアルと信長から軍師黒田官兵衛に下げ渡された刀であること、機動(たぶんすばやさ的な何かなんでしょう)がすごいらしいこと、意味深な台詞をはくことぐらいしか知らないんですけどね。
電撃文庫の特設ページにある受賞者インタビューによるとこの作品は作中でもちらちらと触れられていた由岐と景虎の悲恋話があってそれのスピンオフに当たるのだとか。
それも読んでみたくなりました。
プロの編集さんの手でだいぶ直されてはいるようですが、それでもデビュー作としてはかなりの筆力だと思います。
これからに期待ですね。
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