掟上今日子の備忘録/西尾維新
今日子さんには、今日しかない。
「化物語」「めだかボックス」の西尾維新がおくる新シリーズは探偵物語!
掟上今日子――またの名を、忘却探偵。
すべてを一日で忘れる彼女は、事件を(ほぼ)即日解決!
あらゆる事件に巻き込まれ、常に犯人として疑われてしまう不遇の青年・隠館厄介(かくしだてやくすけ)は、今日も叫ぶ。
「探偵を呼ばせてください――!!」
スピーディーな展開と、忘却の儚さ。
果たして今日子さんは、事件の概要を忘れる前に解決できるのか?
妹から借りました。
西尾さん読むのも久しぶりでした。
妹は元々西尾さんの作品が好きで集めてましたが、化物語あたりからお金がついていかなくなったらしいです。
が、久しぶりの新シリーズということで手を出したとのこと。
(当時学生であったこと、講談社BOXの値段と発売頻度を思えば致し方ない気もしますね)
【第一話 初めまして、今日子さん】
【第二話 紹介します、今日子さん】
【第三話 お暇ですか、今日子さん】
【第四話 失礼します、今日子さん】
【第五話 さようなら、今日子さん】
が、収録されています。
すべて書き下ろしの連作短編集。後半はつながってる話なので、順番に読むことをおすすめします。
物語としては、様々な事件に巻き込まれてしまう語り部・隠館厄介が何かある度に、探偵である今日子さんを呼び、事件を解決してもらう話です。
その特性ゆえに多くの探偵を知る厄介ですが、今日子さんはものすごい能力を持つ探偵ではないのだとか。
ただ、今日子さんは「1日しか記憶が持たない」ので、必然的に事件解決までの時間が限られます。
厳密にいうと、一度でも睡眠をとることで記憶が失われるので、うたたねもアウト。完徹すれば2日でも3日でも記憶は保たれるので、本当にやばい時は徹夜するよう。
そのため、今日子さんは即日解決、そして記憶を失ってしまうので探偵としての守秘義務がはからずも守られるというのが売りなわけです。
厄介は今日子さんに好意を持ちながらも、今日子さんの記憶がないゆえに毎度「はじめまして」を繰り返していたわけです。
そこから少しずつ関係が変わっていく様が描かれています。
おもしろかったです。
西尾さん独特とセリフ回しには少しばかり違和感を覚えてしまいましたが、これは単純に西尾作品にふれるのが久しぶりだからということがあるのでしょう。
今日子さんの記憶が持たないため、さくさくと物語が進むのでさらりと読み進めることができました。
今後の展開が非常に気になる話でした。
「昨日の今日子さん」と「今日の今日子さん」は同じだけど違う存在。
(ちょっと未来の
りすかを思い出しました。あれも4巻の発売ってどうなるんでしょうね。) ちょっと先にすすめそうなラストでしたが、今日子さんはそれすらも忘れてしまう。
精神の記憶とは別物である体の記憶。
それがあるから少しはアドバンテージがあるということなんでしょうが……。
どうなってしまうんでしょうね。
2巻も手元にあるので近いうちに読んでしまいたいです。
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