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(腐)的感想文

隠れ腐女子の日常と小説や漫画の感想を書いてきます。

   

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昭和少女探偵團

昭和少女探偵團/彩藤アザミ
立てば芍薬、座れば牡丹 謎解く姿は少女名探偵!
和洋折衷文化が花開く昭和6年。女学校に通う花村茜と級友たちに怪文書が届いた。疑われた親友を庇う茜の耳に凛とした声が響く。――「やれ、アリバイがないのは僕も同じだぞ」。謎めいた才女・夏ヶ目潮だった。鮮やかに事件を解決する彼女に惚れ込んだ茜は、天才で変人の丸川環も誘い、探偵團を結成するのだが。
乙女の園で繰り広げられる昭和本格レトロ青春ミステリーここに登場!


本が好き!を通じて頂戴しました。
昭和レトロ×ミステリーな作品です。


【第一話 少女探偵ごきげんよう】
【第二話 ドツペルゲンゲルスタイルブック~鈴原ミユゲのお洒落手帖~】
【第三話 滿月を撃ち落とした男・前】
【第四話 滿月を撃ち落とした男・後】
【エピローグ】

が収録されています。
いわゆる短編連作というやつですね。


舞台はあらすじにもある通り、昭和6年と今からざっと90年近く昔のこと。
主人公は女学校に通うまだ幼さの残る少女・茜。

彼女はまだ恋に恋するお年頃というか、世間ずれしていないというか、疑うことを知らない純粋な少女なのです。
そんな茜のもとに怪文書が届いたり、ドツペルゲンゲル(=ドッペルゲンガー)が現れたりするのですが、級友で探偵役である夏ヶ目潮や、変人でありながら知識が豊富な丸川環とともに少女探偵團として謎を解き明かしていきます。

レトロな雰囲気ですが、少女たちの軽快なやりとりなどもありするする気軽に読めます。
あらすじにある"昭和本格レトロ青春ミステリー"ですが、これ"本格"はどこにかかっているのでしょうね。

確かに昭和レトロな雰囲気で、おさげ髪にふんわりした生地のワンピースをまとった女学生たちの姿はまさに青春といってもいいでしょう。
彼女たちのもとにふりかかかる謎は日常の謎、というにはいささか物騒ですが、コージーミステリーの範疇でしょう。
コージーミステリー=本格ではないとまではいう気はしませんが、この作品においての謎は前2つはどこかで見たことがあるようなもので、私程度でも途中で種が割れてしまったので、ミステリー慣れしている方にとってはちょっと物足りないかもしれません。

シリーズとして続くのかは疑問ですが、4話の後半でずっとずっと後になってからとみられる記述があり、かつ3話で新たに探偵團の仲間入りをした紫さんが学生生活を満喫できる猶予が2年あるようなので、その間は探偵團として活躍していくことも可能でしょう。
とはいえ、昭和初期というこれから戦争へと進んでいくことが目に見えてわかる時代をあまり長々と書くとライトなキャラミステリーという枠から外れてしまうということがわかるので……。
難しいですね。

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