猫弁【完全版】天才百瀬とやっかいな依頼人たち/大山淳子
婚活中の天才弁護士・百瀬太郎は、毎日持ち込まれるやっかいな依頼に悪戦苦闘。
――とにかく引き受けて、共に考え、解決の道を探したい。
黄色いドアの向こう側、猫いっぱいの事務所で人と猫の幸せを考える日々に、新たな依頼が舞い込んだ。
「霊柩車が盗まれたので取り戻してほしい!」
すべてのピースがつながった後には、誰にも予想できない結末が待っている。
笑いあり涙ありのハートフル・ミステリー!
図書館で借りてきました。
文庫版が発売されたときに、「猫弁」のタイトルだけ知り気になっていた作品だったりします。
てか、文庫版ってソフトカバー発売の1月後に発売されたんですか?もし、自分がソフトカバー買ってしまっていたらと考えるとそのスパンでの文庫発売はすごく嫌だなぁ。
タイトルである猫弁。
サブタイトルまで見てあらすじを読むと「猫の弁護士」の意だとわかるのですが、私「猫弁」しか知らなくて。
方言の意味の「弁」で猫の言葉がわかる人の話なのかな?なんて考えていました。
そんな話ではなかったのですが、あながち間違っちゃいないのかな、とも。
猫の、人の思いを代弁する人でもあるんですよね。
この作品、ミステリーではありますが、人は死にません。
傷害事件は起きていますが、それは物語外のことであり、あまり気にならない感じです。
かなり軽めの話なので、さらりと読むにはちょうどいいと思います。
セリフはともかく地の文が一人称と三人称が混ざったものなので、そこに違和感が残ります。
さっきまで三人称だったのにいつの間にか登場人物の心情が書かれていたりして慣れるまで若干読みにくかったです。
あらすじは話半分に読むのがちょうどいいのはわかりますが、「誰にも予想できない結末が待っている」は誇張がすぎるかと。
登場人物が出揃ってしまえば、あとはだいたい展開が予想できました。
細かな点で「へえー」となるのはありましたけど、大筋の物語は予想の範疇だったので特に驚くこともなく読み終えてしまいました。
でもそれが不快じゃない。たぶん私がこの作品をミステリとして認識していないからなんだと思います。
どちらかというと群像劇に近いイメージがあります。
全然関係ないようなことがどんどん繋がっていく様って大好きなのでそれもあって不快さを感じなかったのかな。
この作品、
続編が出ているようで図書館ではじめに見かけたのはそちらだったりします。
私の中でこの作者の評価はなかなか高め。
こう「おもしろい!すごい!」って絶賛するような話ではないけれど安定して標準ちょっと上レベルの作品を提供し続けてくれそうな感じ。
事務所のドアにいたずらし続けるのはいったい誰なのかとか、百瀬の母についてだとか明らかになっていないことも多々あるので、今度続編も借りてきたいと思います。
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