異世界コンサル株式会社/ダイスケ
活躍できない勇者には、理由がある。
異世界に転移した経営コンサルタントが、勇者たちの冒険ライフを徹底サポート。
経営&問題解決のハウツー満載のファンタジー・ビジネス小説!
通勤途中に突然異世界に転移した、経営コンサルタントのケンジ。特にチートもなく、魔術も使えないケンジは、膝のケガをきっかけに、所属していた冒険者パーティーをクビになってしまう。冒険者から「冒険者サポート業」への転職を決意したケンジは、赤毛の弓兵・サラをアシスタントに加え、元経営コンサルタントのハウツーを生かして、周りのパーティーの問題を次々と解決し、頭角を現していく。やがてケンジは、腕利きで鳴らすトップクラン「剣牙の兵団」と組んで、ある事業に乗り出すのだが――。
サラリーマン必読のビジネスハウツーが満載、異色のビジネス・ファンタジーノベル!
本が好き!さんを通じて出版社さんから頂戴しました。
なんかこの本、炎上してるらしいんですが大丈夫かな?
帯にもある通り、物語はごく普通のサラリーマンであった青年・ケンジが異世界トリップして数年がたった世界が舞台。
怪我が原因で、引退を勧められたケンジは自身の現代日本の知識を用いて活躍していく物語です。
これだけだと言い方は悪いかもしれませんが、よくある異世界トリップものです。
この本のおもしろい点はそんな異世界トリップものをビジネス書として発売したことでしょか。
ラノベ×ビジネス書の先駆者としては、
もしドラが有名ですが、それと同じようなことを狙ったのでしょうか。
読み終わった感想としては、もしドラよりは小説としては面白い、というかこなれています。
さすがに小説家になろう!発というだけあって、文章としては普通に読めます
。 けれど、小説として読むには途中途中の
【この節のまとめ】が邪魔。
せめて【この章のまとめ】にしてくれればよかったのに。
ビジネス書として読むにはどうなのでしょうか。
帯には
『サラリーマン必読のビジネスハウツーが満載』とあるのですが、これどちらかというと社長、起業したい人向けなんじゃ?と。
資金調達方こそ今だとクラウドファンディングなんかがあるから一般人でも資金が調達が可能だったりしますけど、株主の構成やら廃業の心構えやら一社員がどうこうできるものじゃないものも多く、誰向けなのかがちょっと迷子っぽい。
さらに、失敗した時のリスクや、それをすることで生じるデメリットが本編でほとんど描かれていないのが気になります。
【まとめ】では多少触れられているものの、靴の利権関係以外でリスクについて描かれていないような?
うーん、多少失敗を描いても良かったのではないかとも思います。
はじめ、ケンジの物言いが現地人(というか駆け出しの冒険者)を見下しているように見えてちょっとイラッとしながら読んでいたんですが、話が進むにつれそれは気にならなくなりました。
ケンジの最終目標が、そんな駆け出しの冒険者の命を守るためのものだとわかったからでしょうか。
単純に小説としてなら、この後どうなるのか気になるのですが、ビジネス書として発売してしまった本書。
続編というものはありえるのでしょうか。気になるところです。
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