レンタルマギカ 滅びし竜と魔法使い/三田誠
修学旅行の最中、いつきは禁忌の対象として協会から追われる身に。しかし皮肉にもそこから救ってくれたのは<螺旋なる蛇(オピオン)>の一員フィンだった。連れ去られたいつきは自分の目で育まれていた『生命の実』について知ることに! それは<螺旋なる蛇>が欲して止まない術式であった――!! 一方、必死にいつきの行方を追う、穂波、アディリシア、そしてアストラルのメンバー。大切な場所を守るため、それぞれ厳しい決断を迫られる!
レンタルマギカ第2部ラストとのことなんですが、第1部ってどこまでだったんでしょう……。
竜の事件とかかな?
あそこから<螺旋なる蛇>の存在が仄めかされるようになってきていたはずですし。
前巻で、いつきがフィンに連れ去られ、協会により禁忌に指定されたところで終っていたはず。
めちゃくちゃ気になるところで終ってたんですよねぇ。
猫屋敷さんがしがらみを断ち切り、黒羽さんが影崎=柏原だと見抜き、アディリシアがいつきに刃を向け、穂波がダリウス・レヴィに交渉をもちかけ。
そして、フィンの手によりいつきの妖精眼(グラムサイト)が奪われる。
今回みんなバラバラに行動しているのですが、それぞれがどう決断し、どう動くのかとても楽しかったです。
今回もまた、いつきにルーンを仕込んでいたオルトくんが可愛くて仕方なかったです。
『保護』のルーンでしたっけ? 仕込んでいること自体はまあいいんです。
いつきに知らせて仕込んでても、いつきに内緒で仕込んでてもそれはそれで萌える。
オルトくん可愛いって毎回騒いでますが、肉体的には攻めであってほしいと思ってるんですよ?
今巻を読んでちょっと思ったこと。
他人の願いを叶えることしかしないフィンですが、願われてもいないのにいつきを助け、いつきを日の下に――魔法使いの世界から遠ざけようとするんです。
数々の奇跡を成し遂げてきたいつきの妖精眼。奇跡を可能としたのはその中に『生命の実』を秘めていたから。
『生命の実』を摘出してしまえば奇跡を成し遂げることは出来なくなる……。
普通の世界に戻ること。それってフィン自身の願いだったのではないでしょうか?
取替え児(チェンジリング)であるフィンの過去は明らかになってません(よね?)。
「取替え」ってようは神隠しな訳ですから、妖精に連れられる前のフィンはもしかしたら魔法とは何の関係のない普通の子どもだったのかもしれません。
元の普通の生活に戻りたくても戻れない……。
同じ妖精眼を持つ優しすぎるいつきにシンパシーを覚え、「自分は無理だけれどせめていつきだけは」と思ったのではないのかな?と。
考えすぎかもしれませんけどね。
今回の事件は犠牲が多すぎました。
死んだのは1人だけで、最悪の事態は確かにさけられました。
でも、猫屋敷さんと穂波はアストラルを離れ、フィンとツェツィーリエは身柄を拘束され、アディリシアは高校生活に終止符をうち、いつきは妖精眼を失った。
いつきがフィンに語ったこと。
「魔法使いを護りたい」
<螺旋なる蛇>だろうが<協会>だろうが関係なく護りたい。
すごく難しいことだと思います。
けどいつきならやり遂げてくれそうでもあります。
第3部が楽しみです。
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