レンタルマギカ 魔法使いの宿命!/三田誠
魔法使いとは、かくも残酷な存在なのか!?
<アストラル>の天才陰陽師・猫屋敷蓮は、かつて苦楽を共にした弟弟子の圭から魔術決闘(フェーデ)を叩きつけられる。
陰陽道VS陰陽道――。
しかし魔法使いの優劣は「血」であり「才能」であり、そこに「努力」が入る余地はない。
霊獣くだぎつねを操る圭に、“天才”猫屋敷は炎の符呪で迎え撃つ。
血で血を洗う決闘を前に、いつきの瞳は二人の悲しい過去を映し出した。
古今東西の魔法を集結、快調異種魔術格闘戦!
レンタルマギカシリーズ5冊目にして短編集第2弾です。
今回は「錬金術師」と「竜」の間の出来事ですね。
全部で4編。ほのぼの出来るかと思いきや、かなり真面目な話でした。
今まで帯をつけっぱなしにしていたので表紙下部の黒羽に気づきませんでした(^^;
『魔法使いと夏の海』
アストラル社員とアディリシアで慰安旅行に行き、“ついでに”請け負った仕事をこなす話。
いつきって高校生男子ですよね?
「かわいい女の子がたくさん!海!しかも水着!」とならないのは、いつきがいつきであるがゆえなのか。
いや、いつきが鼻の下のばしてたら逆に嫌ですけどね。
やっぱりいつきには「どうかな?」「似合ってるよ」程度の会話で留めておいてほしいものです。
そしてあの人のあれはマジでありえない。
ああいう馬鹿な面を見ると、昔のあの人と同一人物なのか本当に疑問です。
そして、船魂を戻してくるってのに猫屋敷さんが行かなかったのが本当に不思議でなりません。
いつきに場数を踏ませるのが目的だったのかもしれませんが、穂波とアディの面倒をみかんちゃんと黒羽にまかせた方がよかったのでは?と思ってしまいました。
まあそうすると黒羽の成長っぷりが描けないんでダメか……。
『魔法使いと学校の怪談』
アストラルに届いた学園の卒業アルバムから、穂波とアディリシアの入信儀礼(イニシエーション)について語られる話。
小さな頃の二人の姿が描かれてます。今のみかんちゃんと同じくらいってことは8歳くらい?
いつきが竜を見たのは、いつきが5歳、穂波が6歳のときですから、2年くらいあとってことですね。
アディリシアが自身に満ち溢れているのはこの頃からなのか、と。
けど、それもまた良し悪しですね。
二人はこうして友と書いてライバルと読む関係になったんですね。
『魔法使いと星祭り・前編』 『魔法使いと星祭り・後編』
猫屋敷の後輩である石動圭から星祭りの依頼が入る話。
星祭りが短編だったことにちょっとびっくりしました。
猫屋敷さんについては、まだまだ謎が残ってますね。
荒れに荒れていた学生時代→アストラルへ(社長・司)→
司失踪→石動姉弟の所属していた結社など複数の結社に出入り→
みかんとともにアストラルへ(社長不在)→いつき社長就任現在に至る……
ってことですね。ちょっと気になったのはみかんちゃんを連れてアストラルに行ったとき、アストラルに一体誰がいたんでしょうね?
圭の心はかなり複雑なんだろうな、と思います。
そして、悪い人でもないんだとも思います。
お姉さんが生きていたら、ここまでひねくれなかったんだろうなぁ。
もしかしたら、時々アストラルにお土産もってやってきてみかんちゃんの相手していく……なんてこともあったかもしれません。
まあ、ありえないことなんですけど。
老人の妄執は魔法使いとしてはおかしくはないけれど、アストラルの空気とは違いすぎてとても異様に見えました。
次巻もまた短編集。
明日出かける予定なんですが、読めるかなぁ。
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